犬の肉球の色が変化するのはなぜ?

犬の肉球の色は、メラニン色素の量や遺伝的な要素によって決まっています。そのため、生まれたときはピンク色でも、成長とともに黒やグレーに変化していくことは珍しくありません。
メラニンは、紫外線や摩擦などの刺激から皮膚を守るために分泌される色素で、人間の肌の日焼けと同じような仕組みです。つまり、肉球の色の変化は「外部刺激に対する自然な反応」である場合も多いのです。
また、加齢やホルモンの影響、体質の変化によっても色が変わることがあります。ただし、急に赤くなる・ただれる・かさぶたができるといった場合は、炎症や感染症のサインの可能性があるため注意が必要です。
健康な肉球はしっとり柔らかく、表面が滑らか。日頃から触れて状態をチェックすることが、早期発見につながります。
肉球の色が変わる主な原因5つ

肉球の色は犬の体質や生活環境によってさまざまに変化します。ここでは、特に多く見られる5つの原因を紹介します。
1.年齢や成長による変化
子犬のころはピンク色だった肉球が、成長するにつれて黒っぽくなることがあります。
これは、皮膚が外の刺激に慣れて強くなっていく自然な現象です。健康上の問題ではないため、痛みや腫れがなければ心配はいりません。
2.紫外線や摩擦によるメラニン色素の増加
散歩で地面に触れる時間が長くなると、肉球が紫外線や摩擦の刺激を受けてメラニン色素が増加し、黒く変化することがあります。
夏のアスファルトや砂利道での刺激が原因になることもあるため、靴を履かせる・日差しの弱い時間に散歩するなどの対策が有効です。
3.アレルギーや皮膚炎などの炎症反応
肉球が赤くなったり、かゆがったり、舐め続けて色が変わる場合は、アレルギー性皮膚炎などの皮膚炎の可能性があります。
花粉・ダニ・洗剤・除草剤など、日常の中に原因があることも多いです。症状が続くときは、早めに獣医師へ相談しましょう。
4.ケガ・やけど・感染による色の変化
切り傷や擦り傷、熱い地面によるやけどが原因で、肉球が赤く腫れたり、黒ずんだりすることがあります。また、細菌や真菌による感染症でも変色する場合があります。
歩き方がぎこちない、足先を気にして舐めるなどの様子があれば要注意です。
5.ホルモンバランスや体調変化による一時的なもの
ホルモンの乱れや免疫低下、ストレスなどによっても、肉球の色が一時的に薄くなったり濃くなったりすることがあります。
体調が落ち着くと自然に戻ることもありますが、食欲や元気がない場合は病気が隠れている可能性もあります。
自宅でできる肉球ケアの方法

肉球のケアは、健康維持とトラブル予防の基本です。毎日少し気を配るだけで、ひび割れや変色を防ぐことができます。
保湿ケアを習慣にする
肉球が乾燥すると、ひび割れや出血の原因になります。犬用の肉球保護クリームやワセリンを薄く塗り、しっとり感を保ちましょう。
散歩前後に塗ると、摩擦や乾燥から守る効果もあります。人間用のハンドクリームは刺激が強すぎるため、必ず犬専用のものを使いましょう。
散歩後の汚れを拭き取る
外から帰ったら、肉球の間の砂やホコリ、アスファルトの汚れをしっかり落とします。
ウェットティッシュやぬるま湯で軽く拭き、汚れを残さないように。湿った状態のまま放置すると、雑菌が繁殖して炎症を起こすことがあります。
乾燥・ひび割れ防止の環境づくり
冬場は暖房の影響で空気が乾燥しがちです。加湿器を使って湿度を保ち、肉球がカサカサにならないようにしましょう。
また、床がすべりやすい場合はマットを敷くなどして、歩行時の負担を減らすこともケアの1つです。
まとめ

犬の肉球の色は、体の健康や生活環境を映す鏡のような存在です。成長や日差し、摩擦などによる自然な変化もありますが、赤み・ただれ・黒ずみなど、急な色の変化が見られるときは注意が必要です。
肉球は、地面の熱や冷たさ、衝撃から体を守る大切な部分。普段から触れて状態を確認し、乾燥していたら保湿を、汚れていたら優しく拭き取るなど、こまめなケアを続けましょう。



