犬に配慮した叱り方

1.感情的にならないこと
犬を叱るとき、感情的になると「叱る」ではなく「怒る」になってしまいがちです。
感情をぶつけても犬には理解することができず、不安や恐怖を与えるばかりになってしまいます。
犬を叱るときは、「ダメ」「いけない」などの短い言葉を使い、優しく低く冷静な声で伝えるようにしましょう。
2.最中または直後に叱ること
犬の悪い行動や危険な行為を叱らなければならないときは、その行動や行為の最中または直後に叱ることが必要です。
「何を叱られているのか」「なぜ叱られているのか」ということを犬に理解してもらうためです。
これは褒めるときにも同じことが言えます。よい行動や行為の最中または直後に褒めることができれば、良い行動と褒められたという経験を結び付けて覚えてもらうことができます。
3.罰を与えないこと

犬を叱るとき、罰を与える必要はありません。
悪いことをしたからといって、言うことを聞かなかったからといって、ケージの中に閉じ込めて「そこで反省してなさい!」などという罰は一切必要ないのです。
悪いことをしたからおやつをあげない、言うことを聞かなかったからお散歩に行かない、犬を無視するなど、罰を与えても学習には繋げられないのです。
4.失敗させない環境づくりをすること
犬のしつけは叱ることばかりが正解ではありません。叱らなくても済むように、失敗させない環境づくりをすることも犬への配慮になります。
よくあるのが、トイレトレーニングです。トイレ以外の場所で排泄をしてしまうこともありますし、トイレシートからはみ出してしまうこともあります。
トイレ以外で排泄をしてしまうのは、トイレが汚れっぱなしであるからかもしれません。落ち着いて排泄をすることができないからかもしれません。
はみ出してしまいやすいときは、トイレシートを大きいものに変えたり、複数枚を敷き詰めてみたり、工夫をしてみると改善されることがあります。
5.名前を呼ばないこと
そもそも犬には名前という概念がありません。ひとつの言葉として覚えています。
「〇〇ちゃん!!!」と言って叱ると、自分の名前に対して嫌な印象を持ってしまいます。名前を呼ばれる度に、また叱られるのではないかと怯えてしまいます。
名前の言葉には絶対的によい印象を持ってもらう必要があります。犬がかけられて嬉しい言葉でなければならないのです。
逆効果となる怒り方

言い聞かせる
言い聞かせることは逆効果になります。言い聞かせても犬には理解することができないからです。言い聞かせられた中のほんの一部の言葉しか覚えていないからです。
大声で怒鳴る
犬を大声で怒鳴っても、不安や恐怖を与えるばかりです。飼い主を怖がるようになったり、避けるようになったりし、一緒に生活することが難しくなることもあります。
お留守番中のイタズラを注意すること
犬は事後を注意されても理解することができません。お留守番中のイタズラを注意することは事後を注意するということであり、何を注意されたのか、なぜ注意されたのか、犬には分かりません。
お留守番中のイタズラは、させないための環境づくりを徹底することが大切です。
まとめ

犬に配慮した叱り方を5つ解説しました。
- 感情的にならないこと
- 最中または直後に叱ること
- 罰を与えないこと
- 失敗させない環境づくりをすること
- 名前を呼ばないこと
叱るときにも愛犬への愛情と信頼を持つことが大切です。そのためには、叱り方にも配慮することが必要になります。
イライラした感情をぶつけるのではなく、「なぜいけないのか」ということを犬に伝えるという気持ちを持って向き合ってみましょう。



