犬は良いことと悪いことを判断できる?

結論からいうと、犬は人間のような意味での善悪を判断することはできないと考えられています。しかし、人間と暮らす中で学習し、まるで善悪を判断しているかのような行動を取ることもあるんです。
以下では、犬が善悪を認識しているかのような行動を取る理由について解説します。
飼い主の反応と結びつけて学習する
犬は「褒めること=良いこと」「叱ること=悪いこと」と、飼い主の反応と結びつけて学習します。人間の言葉は理解できませんが、声のトーンや表情から感情を読み取ったうえで、徐々にどのような行動を取るべきか理解を深めているのです。
とくにご褒美は行動と関連付けしやすく、「お手をする=おやつがもらえる」と一度覚えると、次回の行動にも反映されます。
状況を察する能力は高い

犬は本能的に状況を察する能力が高く、その場の雰囲気を読むことに長けています。
とくに飼い主の感情の変化は敏感に感じ取り、過去に叱られた経験がある犬ほど、その場の空気を読み取ろうとするでしょう。
いたずらをした際に犬がサッと隠れるのは、その能力が働いているからだといえますね。
反省して見えるのは「叱られたくない」から
注意した際に犬が反省しているような表情や態度を見せるのは、「叱られたくない」という思いがあるからです。自分の行動を反省しているのではなく、過去の経験から「これから良くないことが起こるかも」と予測し、回避させたいがために行動を取っています。
反省して見えるのは、敵意を見せないための犬の本能的な行動です。耳を伏せて尻尾を下げているのは、不安や恐怖の表れであるため、必ずしも反省しているのではありません。
愛犬に学習させるために飼い主ができること

犬は善悪の判断はできませんが、一緒に暮らす中で学習することはできます。ここでは、犬に良いことと悪いことを学習してもらうために飼い主ができることをご紹介します。
ポジティブな経験として教える
「良いことを褒める」というしつけを基本にすると、犬は積極的に良い行動を取るために学習します。お座りやトイレの成功など、飼い主さんも率先して犬の良いところを探して、思い切り褒めることが大切です。
叱ってばかりでは不安やストレスを与えてしまうため、犬の良い行動が増えるように工夫しましょう。
一貫性のあるしつけを行う

犬に行うしつけは、一貫性を持つことが重要です。家族によって指示の出し方が異なったり、犬の呼び名が変わったりすると混乱してしまいます。
また、褒める・注意するのはその場で簡潔に行うのがポイントです。後から説教をしても犬は理解できず、不安や恐怖を与えてしまうためやめましょう。
根気強く続ける
犬のしつけは一生涯続くため、焦らずに根気強く続けましょう。学習するスピードも犬の個体によるため、失敗が続いてもあまり気にしないでください。
もししつけが上手く行かない場合は、ドッグトレーナーなどの専門家のアドバイスを求めるのがおすすめです。
まとめ

犬は人間とは違う感覚で生きているため、善悪を理解させるのは難しいです。ただ、日々の経験を重ねていくうえで学習を高めることはできます。
犬のしつけは簡単にはいきませんが、家族の一員として飼い主さんができることを少しずつ経験させてあげましょう。ぜひ犬の良い行動に注目しながら、今後のしつけを行ってみてください。



