犬が『飼い主の寝床』に入ってくる心理4選 ベッドで一緒に寝ようとする理由や考えられるリスクまで

犬が『飼い主の寝床』に入ってくる心理4選 ベッドで一緒に寝ようとする理由や考えられるリスクまで

飼い主さんの寝床に入りたがる犬は多いですが、その行動の裏には犬のさまざまな心理が隠されています。なぜ犬は、飼い主さんのベッドで一緒に寝ようとするのでしょうか?この記事では、その疑問に答えるべく、犬が飼い主さんの寝床に入ってくる心理を深く掘り下げます。さらに、犬と一緒に寝ることで生じるリスクについてもご紹介します。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

犬が飼い主の寝床に入ってくる心理4選

ベッドで布団を被るジャックラッセルテリア

犬が飼い主さんの寝床に入ってくる行動は、ただの気まぐれではありません。では、なぜ犬は自分の寝床ではなく、飼い主さんの寝床を選んで入ってくるのでしょうか?ここでは、犬が飼い主さんの寝床に入ってくる心理を4つご紹介します。

1.安心感を求めて

犬が飼い主さんの寝床に入ってくる理由のひとつは、安心して眠るためです。

犬は元々群れで生活する動物であり、野生時代は信頼する仲間と身を寄せ合って眠り、外敵から身を守っていました。その習性は今も残り、信頼する飼い主さんのそばで眠ると安心できます。

また、寝具には飼い主さんのにおいが染み付いており、そのにおいに包まれて眠ることで犬は安心感を得られます。

2.甘えたい

飼い主さんに甘えたい気持ちも、飼い主さんの寝床に入ってくる理由のひとつです。甘えん坊な犬ほど、積極的に飼い主さんの寝床に入りたがる傾向があります。

また、普段はあまり甘えん坊でなくても、留守番が特別長く寂しい思いをした日などは、甘えん坊モードになって一緒に寝たがることもあります。飼い主さんにくっついて甘えながら眠ると、寂しかった気持ちが満たされるのです。

3.温もりを求めて

寒い季節には、犬が温もりを求めて飼い主さんの寝床に入ってくることがあります。布団の中は温かく、快適に眠ることができるのです。飼い主さんに体を密着させることで、さらに温まることができ、安心感も得られます。

特に小型犬やシングルコートの犬種は寒さに弱いため、冬になると「暖を取りたい」という目的で一緒に寝たがることが少なくありません。

4.寝心地がいい

寝心地の良さを理由に、飼い主さんの寝床に入ってくることもあります。

人間用のベッドや布団は、犬用の寝床と比べてクッション性やフカフカ感が格段によいことが多いです。そのため、犬が飼い主さんの寝床を「寝心地がいい」と感じ、自分の寝床よりも快適な寝場所と認識してもおかしくはありません。

こうした物理的な寝心地の良さに加えて、飼い主さんのそばで眠る安心感や温もりといった要素も複合的に作用し、犬にとって飼い主さんの寝床が「最高の寝場所」になっていることも多いでしょう。

犬と一緒に寝るリスクは?

女性と一緒にベッドで眠るゴールデンレトリバー

犬と一緒に寝ることは絆を深める一方で、さまざまな面においてリスクを伴います。これらのリスクを事前に理解し、適切な対策を講じなければ、飼い主さんと犬の双方に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。ここからは、犬と一緒に寝るリスクを5つご紹介します。

1.衛生・健康面のリスク

犬は毎日外を散歩するため、雑菌やノミ・マダニなどを寝具に持ち込むことがあります。また、犬の毛やフケ、外から持ち込んだ花粉などが寝具に付着し、飼い主さんのアレルギー症状を引き起こしたり、悪化させたりする可能性もあります。

こうしたリスクを避けるため、犬と一緒に寝る場合は、シーツや布団カバーなどの寝具をこまめに洗濯し、犬にノミ・マダニの予防薬を定期的に投与しましょう。また、月に1〜2回程度シャンプーを行い、犬の体を清潔に保つことも大切です。

さらに、散歩から帰ったら犬の足をよく拭き、体全体をブラッシングして、外の汚れや花粉、ほこりなどを落とすようにしましょう。

2.ケガのリスク

犬と一緒に寝ることの大きなリスクのひとつが、飼い主さんが寝返りを打った際、犬を圧迫したり蹴飛ばしたりして、骨折などのケガを負わせてしまうことです。場合によっては、圧迫で窒息させてしまうこともあり、特に体が小さい子犬や小型犬は注意が必要です。また、犬がベッドから転落し、ケガをするリスクもあります。

犬の安全を考えると、別々の寝床で寝るのが賢明ですが、一緒に寝ることを選択するのであれば、広い寝具でスペースを確保し、圧迫や蹴飛ばすリスクを減らしましょう。さらに、ベッドに柵をつけるか低いベッドを使用して転落を防ぐことも重要です。

3.睡眠の質の低下

犬と一緒に寝ると、お互いの睡眠の質が低下することがあります。お互いの寝返りや行動(トイレや水を飲みに行くなど)、いびきなどが気になり、深い睡眠が妨げられることがあるためです。

特に敏感な人や犬は目覚めやすく、慢性的な睡眠不足になりかねません。慢性的な睡眠不足は、集中力や免疫力の低下を引き起こす原因となります。

睡眠の質を重視する場合は、寝床を別にするのが最善策です。飼い主さんの寝床の近くにクレートや犬用ベッドを用意し、そこで寝かせる習慣をつけましょう。

4.分離不安の懸念

毎晩飼い主さんと一緒に寝る習慣がつくことで、犬の飼い主さんへの依存心が高まり、分離不安を発症または悪化させる懸念があります。

分離不安とは、飼い主さんの姿が見えなくなると犬が大きな不安を感じ、吠えや破壊行動などの問題行動や体調不良を起こすことです。分離不安になると、留守番やペットホテルの利用が難しくなるなどの問題につながります。

分離不安を防ぐためには、毎晩一緒に寝るのではなく、別々に寝る日も作り、犬がひとりでも落ち着いて眠れるようにすることが大切です。

5.飼い主の寝床を守ろうとする可能性

飼い主さんと一緒に寝ているうちに、犬が飼い主さんの寝床を自分のテリトリーと認識し、守ろうとすることがあります。

そうなってしまうと、飼い主さんが寝床に入ろうとしたり、犬を動かそうとしたりした際に、唸ったり噛みついたりするおそれがあります。誰かが寝床に近づいただけで攻撃的な反応を見せることも少なくありません。

このような困った状況を避けるために、飼い主さんの寝床に犬が入ることを完全に禁止するか、飼い主さんの「おいで」などの合図で寝床に入るようにしつけましょう。犬が勝手に飼い主さんの寝床に入ったら、すぐに「どいて」「降りて」などの指示でどかすようにします。

まとめ

ベッドでくつろぐビーグル

犬が飼い主さんの寝床に入ってくる心理は、安心感や温もりを求めていたり、甘えたい気持ちがあったり、寝心地の良さを感じていたりとさまざまです。

愛犬と一緒に寝ること自体は問題ありませんが、衛生・健康面などにおいてリスクが伴います。愛犬と一緒に寝る場合は、ご紹介したリスクがあることを理解し、それらを回避するための適切な対策を講じることが大切です。飼い主さんと愛犬の双方が快適で健やかに眠れるよう努めましょう。

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