犬が飼い主を真似するって本当?

犬は飼い主の行動をよく観察しており、日常の中で自然と真似をしていることがあります。たとえば、飼い主が伸びをすると同じように伸びをしたり、一緒に窓の外を眺めたり。
これは単なる偶然ではなく、犬が信頼している相手の動きに合わせようとする習性のあらわれです。犬はもともと群れで暮らしていた動物で、仲間の行動を見て学ぶ「社会的学習」が得意。その名残から、飼い主の行動や雰囲気を読み取り、自分の行動に反映させることがあります。
つまり「真似をする」というより、飼い主と同じリズムで過ごすことに安心感を覚えるということ。こうした行動は、犬と飼い主の絆が深まっている証でもあります。
犬が真似する主な行動

犬が飼い主の行動を真似する様子は、日常のいろいろな場面で見られます。「同じ方向を見る」「一緒に伸びをする」などの行動は、犬にとって信頼のサインであり、飼い主との絆が深い証拠です。
ここでは、特によく見られる“マネっこ行動”を紹介します。
同じ方向を見たり、窓の外を確認する
飼い主が窓の外の音や動きを気にすると、犬も一緒になってそちらを見つめることがあります。これは、「飼い主が反応した=何か大切なことが起きた」と判断しているため。
犬にとって飼い主はリーダーのような存在で、その行動を真似することで安心感を得ています。
飼い主が伸びをすると一緒に伸びる
朝起きたときや、ソファでくつろいでいるときに、犬が同じタイミングで伸びをすることがあります。
これはリラックスしている証拠で、「一緒にくつろぎたい」という気持ちのあらわれ。飼い主と生活リズムを合わせようとする、かわいらしい行動のひとつです。
走る・寝転ぶなど、動きをまねて楽しむ
飼い主が走るとついてきたり、寝転がると隣で同じようにゴロンとする。そんな行動も犬の「マネっこ」の一種です。
一緒に動くことが楽しく、「仲間として行動している」という感覚を強める行為でもあります。
掃除や歯磨きなど“見て学ぶ”ことも
雑巾がけや歯磨きなど、人間の行動をじっと観察してまねしようとする犬もいます。これは社会的学習と呼ばれるもので、見た動作を再現してみようとする知的な行動です。
犬の観察力と学習能力の高さがよくわかる、少しユニークで微笑ましい一面ですね。
真似を止めさせるべき行為

犬が飼い主を真似するのは信頼の証ですが、なかには危険やトラブルにつながる真似もあります。愛犬が安全に、そして健やかに過ごせるよう、次のような行動は早めに対処しましょう。
犬の健康や人の衛生面によくない行為
飼い主の食事を真似して、人の食べ物を欲しがる行為は注意が必要です。人間用の食べ物には、犬にとって有害な食材や調味料が含まれていることがあります。
また、人と同じテーブルで一緒に食事をする習慣は、衛生面でも望ましくありません。食べ物を与えるときは、必ず犬用のフードやおやつを使いましょう。
危険がある・しつけによくない行為
窓や網戸、引き出しを開けてしまうなどの行動は、事故やケガの原因になります。犬が開けられないようにストッパーをつける、手の届かない位置にするなどの工夫をしましょう。
また、飼い主の声がけを真似して要求吠えのように鳴く行動も要注意です。「鳴けば構ってもらえる」と覚えるとクセになりやすいため、落ち着いたときに褒めるようにしましょう。
まとめ

犬が飼い主の行動を真似するのは、強い信頼と深い絆のあらわれです。一緒に過ごす時間が長いほど、しぐさや行動が似てくるのは自然なこと。ただし、危険な真似や誤った習慣がつくと、思わぬトラブルにつながることもあります。
犬は言葉よりも、飼い主の表情や態度から多くを感じ取っています。だからこそ、落ち着いた行動や安心できる空気を見せることが、最良のしつけにつながります。



