犬が水やお風呂を嫌がる理由

犬は基本的に水やお湯に濡れることを嫌がります。犬が水やお風呂を嫌がることには、本能的な理由や過去の経験が関係していることがあります。
1.体が濡れると命に関わる恐れがあるから
犬が水やお風呂を嫌がるのは、体が濡れると命に関わる恐れがあるからです。
人間と暮らす犬が水やお湯に濡れてしまったとき、飼い主がドライヤーを使って乾かしてくれます。寒い季節であれば、体が冷えてしまわないようにと、室内を暖かくしてくれるでしょう。
野生の犬であったら…と仮定してみましょう。雨などで水に濡れてしまったとき、日差しがなければ1日中乾かないかもしれません。
寒い季節であれば、どんどん体温が奪われてしまいます。子犬、体の小さな犬、持病のある犬、老犬であれば、低体温症になってしまったり、命を失ってしまったりする恐れがあります。
このような理由から、犬は本能的に水やお湯に濡れることを嫌がるのです。
2.お風呂に入るという概念がない
お風呂に入ることが苦手な犬が多いのは、犬には“お風呂に入る”という概念がないからです。
汚れたからお風呂に入ってキレイにしよう、体臭がきつくなってしまったからお風呂に入ってスッキリしよう、といった概念もありません。
動物の中には、清潔を保つことを目的として水浴びをする子がいますね。鳥であれば、体や羽に付着したホコリ・脂粉・寄生虫などを払うために水浴びをします。
犬にはそのような必要性がないのでしょう。
3.拘束されて自由が奪われるから

犬がお風呂に入ることが苦手なのは、拘束されて自由が奪われるからです。
水遊びは大好きでも、お風呂に入ることは大嫌い!という犬がいます。水やお湯に濡れることは得意でも、拘束されて自由が奪われるお風呂は苦手なのです。
しばらくはジッとしていられるのですが、時間がかかればかかるほど、バスルームをウロウロと歩き回ったり、鳴いたり吠えたり、飼い主の手を噛んで抵抗するなどすることがあります。
4.お風呂に入ることにトラウマがあるから
犬が水やお風呂を嫌がるのは、お風呂に入ることにトラウマがあるからです。
- 水が耳の中に入って不快な思いをした
- お湯が鼻に入って痛い思いをした
- ジッとしてなさい!と飼い主に叱られた
- ドライヤーの風が熱くて皮膚がヒリヒリ痛んだ
- 体を押さえつけられながらお風呂に入った
- シャワーの音が怖かった
トラウマになってしまった原因は様々ですが、たった1度の経験がお風呂嫌いにつながることがあります。
慣らすために飼い主ができること

お風呂は短時間で終えられることが理想です。毎日のブラッシングを欠かさずに行っていれば、ある程度の汚れを落とすことができていますから、シャンプーにかかる時間も短縮されます。
シャワーのお湯の温度は35℃前後を目安に調整しましょう。冷たすぎても熱すぎても嫌がるため、愛犬が嫌がらない温度を探ってあげることが大切です。
シャンプーは月1回が理想ですが、愛犬の体調や様子をよく見極め、排泄物で汚れてしまった部分だけシャンプーするなど、状況に合わせて対応するとよいと思います。
まとめ

犬が水やお風呂を嫌がる理由を4つ解説しました。
- 体が濡れると命に関わる恐れがあるから
- お風呂に入るという概念がない
- 拘束されて自由が奪われるから
- お風呂に入ることにトラウマがあるから
初めてお風呂に入るときは、バスルームに慣れること、シャワーの音に慣れることから始めてみましょう。出入りをしたり、音を聞いたりするだけで十分です。
「お風呂=嫌な経験」をさせてしまうことがないよう、「お風呂=嬉しい経験」として結び付けられるとよいと思います。お風呂前後のおやつタイムを取り入れてみてはいかがでしょうか。



