犬が食べ物を喉に詰まらせたときの3つの対処法

犬が食べ物などの異物を喉に詰まらせると、状況によって命に関わる可能性が出てきます。もし愛犬が食べ物を喉に詰まらせた可能性がある際には、早急に対処しなければなりません。
以下では、犬が食べ物を詰まらせたときの3つの対処法をご紹介します。緊急時の応急処置として参考にしてみてください。
1.背部叩打法
咳き込みながら異物を吐き出そうとする犬には、「背部叩打法(はいぶこうだほう)」と呼ばれる対処法を行います。犬の背中の少し上あたりにある肩甲骨の間を、大きく広げた手のひらで強めに5回程度叩きます。
このとき、犬が咳をするタイミングに合わせて行うのが効果的です。できるだけ背骨を真っ直ぐにさせて、叩いたら異物を吐き出したか確認します。
小型犬や子犬などが食べ物を喉に詰まらせ、異物が目に見える状況であれば、頭が下になるように抱き上げて重力を利用する方法もあります。
2.チェストトラスト法

小型犬や子犬に有効な、「チェストトラスト法」もあります。犬を四つ足で立たせた状態の背後から、両手のひらを胸の左右の側面を挟み込むように圧迫して押し出す方法です。
犬が咳き込むタイミングに合わせて、大きく広げた手のひらで5回程度押し出します。背部叩打法でうまくいかない場合に試し、強く圧迫しすぎない要注意が必要です。
3.腹部突き上げ法
「腹部突き上げ法」は、背部叩打法で効果がない中型犬や大型犬に有効です。犬を立たせた状態で背後から回り、腹部を押し上げて吐き出させます。
片手でこぶしを作ったらへそをみぞおちの中間くらいの場所に当てて、もう片方の手で包み込むように握り、素早く5回ほど斜め上に引き上げます。
このとき肋骨やみぞおちの先端を圧迫しないように、十分ご注意ください。また、小型犬や妊娠中の犬、子犬、シニア犬などには圧迫による内蔵損傷のリスクが起きやすいため行わないようにしましょう。
これらの応急処置を行っても状況が変わらない場合は、早急に動物病院へ連れて行く必要があります。また、誤った応急処置を行うと事態が悪化するおそれもあるため、自己判断をしないようにしましょう。
食べ物を喉に詰まらせない予防のコツ

犬は早食いや丸呑みをする習性があるため、注意しないとすぐに食べ物を喉に詰まらせてしまいます。ここでは、愛犬を事故から防ぐために飼い主さんができる予防のコツをご紹介します。
少量ずつ与える
愛犬に与えるドッグフードやおやつは、サイズを小さくして少量ずつ与えることが大切です。子犬や小型犬は小さなドッグフードでも喉に詰まらせる可能性があり、急いで大量に食べたり噛み切れずに丸呑みしたりしようとする際に喉に詰まらせることがあります。
短頭種の犬は生まれつき気道が狭い傾向があるため、サイズや1回に与える量には注意が必要です。また、飲み込み機能や噛む力が低下したシニア犬も、少量ずつ数回に分けるなど食事の与え方を変える必要があります。
早食い防止用の食器を利用する

思わぬ事故を防ぐために、早食い防止用の食器の利用もおすすめします。凸凹した形状が特徴で、1回に飲み込む分量を自然に減らせるのがメリットです。
調理時はキッチンに近づけない
調理中のキッチンは、犬が食べ物を詰まらせる事故が起こりやすい傾向があります。調理中に落下した硬い野菜を丸呑みしてしまい、命を落としてしまう犬も大変多いです。
そのため、キッチンに柵を設置するなど、調理中は近づけないような対策を行いましょう。
まとめ

犬が食べ物を喉に詰まらせると、窒息状態になるため犬も飼い主さんもパニックに陥りやすいです。そのような緊急事態を乗り越えるためにも、適切な応急処置を覚えておく必要があります。
日頃から誤飲誤食に目を光らせ、食事中も目を離さずにして、思わぬ事故を飼い主さんの手で防ぎましょう。



