犬が留守番中に考えていること5選

1.飼い主はいつ帰ってくるのか
犬は人間の持つような正確な時間の概念を持っていませんが、飼い主のルーティンや体内時計、そして周囲の環境の変化(光の具合、外の音など)によって、帰宅時間を予測しようとしています。
特に、毎日ほぼ同じ時間に帰宅する飼い主の場合、「そろそろ帰宅する時間だ」という予測が近づくにつれ、窓やドアの前でソワソワし始めたり、聞き耳を立てて周囲の音に集中したりする行動が見られるようです。
この「待ち時間」は、愛犬にとって期待と同時に不安が入り混じる時間でもあり、飼い主の不在が予測よりも長引くと、期待の裏切りとしてストレスが蓄積してしまうことにつながるので注意しましょう。
2.不安や寂しさ
飼い主の外出は、群れ(家族)から一人になってしまうという本能的な不安と、愛着のある対象がいなくなる寂しさを犬に引き起こします。
特に、飼い主に過度に依存している犬や、留守番のトレーニングが不十分な犬は、この感情が「分離不安」という病的なレベルに達することがあります。
分離不安の場合、単なる寂しさではなく、パニックに近い強い不安を感じており、物を破壊したり、長時間吠え続けたり、不適切な場所で排泄(粗相)をしたりといった問題行動となって現れるので気を付けなければいけません。
犬は、これらの行動を通して、飼い主を呼び戻そうとしたり、極度のストレスを転位行動(自分の体を舐め続けるなど)で発散しようとしていると考えられます。
3.退屈や遊びたい気持ち
飼い主の不在は、愛犬にとって刺激のない退屈な時間となることが多く、特に活発な犬種や若い犬は、エネルギーを持て余しています。この退屈を紛らわせるために、飼い主が遊んでくれるのを待つ代わりに、自分で何か「遊び」の対象を見つけようとすることも。
その結果、本来おもちゃではない家具やスリッパ、ゴミ箱などを噛んだり、引き裂いたりといった破壊行動につながることがあります。これは、飼い主への意地悪や復讐ではなく、満たされない本能的な欲求(噛む、掘る、探索するなど)を解消しようとする行動です。
そのため、留守番中の犬の思考は「何か面白いことはないかな?」という探索欲求に占めている時間も少なくありません。
4.警戒心
家の中に飼い主がいない状態は、愛犬にとって家全体が守るべき対象となり、通常よりも周囲への警戒レベルが上がります。
犬は聴覚が非常に優れているため、普段は気にならない外の物音やインターホンの音、隣家の生活音などに対し、「侵入者かもしれない」と敏感に反応し、警戒吠えをすることがあります。
特に、窓際や玄関先など、外部の刺激が入りやすい場所では、周囲の監視に多くのエネルギーを使っている場合があります。
この警戒心は、彼らのテリトリーを守ろうとする本能からくるものであり、安心できる空間が脅かされていないか、飼い主の帰宅前に危険はないかチェックし続けているのです。
5.休息やエネルギーの温存
犬は留守番時間の大半を、休息に充てていることが多いです。犬は元々、一日のほとんどを寝て過ごす動物であり、飼い主がいない静かな時間は、誰にも邪魔されずに眠れる貴重な機会でもあります。
犬は、活動的な時間と休息の時間を区別し、留守番中はあえて静かにエネルギーを温存しようと考えます。深く眠っているときは、楽しい夢を見ていることも多く、この休息は、心身の健康を保つために非常に大切な時間です。
ただし、この睡眠は、飼い主が家にいるときの浅い「仮眠」ではなく、無防備な体勢で深い眠りに入れている場合に限り、心身ともにリラックスできている証拠と言えるでしょう。
ひとりになったときの犬の心理と行動サイン

愛犬がひとりになったときの心理は、その自立度と飼い主との信頼関係によって大きく異なります。リラックスして過ごせている犬は、「今は休息の時間だ」と認識し、長時間静かに眠るか、ノーズワークなど夢中になれる安全なおもちゃで遊び、エネルギーを賢く温存しているようです。
行動サインとしては、体を伸ばしたリラックスした寝姿や、監視カメラ越しに見える穏やかな様子が確認できるでしょう。
一方で、不安や寂しさを強く感じている犬(分離不安の可能性)は、「見捨てられた」という強い恐怖を抱き、その心理はパニック行動として現れます。具体的なサインは、飼い主の外出直後から始まる長時間かつ甲高い吠えや遠吠え、壁やソファなど家具への激しい破壊行動、あるいは粗相や多量のよだれなどです。
また、過剰な自傷行為(同じ場所を舐め続けるなど)も極度のストレスサインです。これらの問題行動は、飼い主への意図的な嫌がらせではなく、不安を制御できない精神状態にあることを示しています。
愛犬に不安を感じさせないための対策

愛犬に留守番中の不安を感じさせないための対策は、「外出を特別なものにしない」という一貫した態度と、「留守番を楽しい時間にする」ための工夫がポイントです。
まず、外出前にオーバーな声かけ(「行ってくるね」など)やスキンシップを避け、愛犬が飼い主の行動を留守番のスイッチと認識させないようにします。また、外出準備の行動(鍵を持つ、コートを着るなど)をしても、実際には出かけないフェイント練習を繰り返し、行動のパターン化を崩すことが有効です。
留守番中は、特別な知育玩具(中にフードを詰めたおもちゃなど)を与え、「飼い主がいない間だけのお楽しみ」を作り、留守番と喜びを結びつけます。さらに、静寂による不安を避けるため、ラジオや環境音を小さく流しておくのも効果的です。
帰宅時は、愛犬が興奮していてもすぐには構わず、落ち着いた状態になってから静かに接することで、興奮と再会を結びつけないようにすることが、自立心を育むための重要な鍵となるでしょう。
まとめ

愛犬が留守番中に抱く感情は、不安、寂しさ、退屈が大半を占めますが、同時に休息とエネルギーの温存も図っています。
飼い主は、愛犬の深い信頼に応えるため、安全で快適な環境を整えるだけでなく、規則正しい生活習慣と外出時の冷静な接し方を徹底し、留守番を「楽しいお楽しみの時間」へと変える工夫が必要です。
これにより、愛犬は飼い主の不在中も心穏やかに過ごし、精神的な安定を得ることができるでしょう。



