犬の飼育放棄につながる原因

1.飼育にかかる高額な費用
犬の飼育放棄につながる原因は、食費・医療費・トリミング費用など、飼育にかかる費用が考えていた以上に高額であったことです。
小型犬と大型犬とでは、小型犬の方が飼育にかかる費用が少ないイメージを持たれるでしょう。
しかし、大型犬よりも怪我をしやすい小型犬には、怪我の治療や手術に高額な費用がかかることがあります。
小型犬には心臓に持病のある犬も多く、まだ若いうちに大きな手術を必要とし、数十万円から数百万円にもなる高額な費用がかかる場合があります。
抜け毛が少なくてお手入れが楽だと聞いていた犬種でも、被毛が伸び続ける犬種であると、月1回程度のトリミング(カット)が欠かせません。
2.ライフスタイルが変化したこと
犬の飼育放棄につながる原因は、生活環境が変化したことです。
引っ越し、転勤、結婚、出産、病気、介護など、飼い主のライフスタイルが変化したことで、犬を飼育することができなくなるケースがあります。
子供にアレルギーが出てしまったことをきっかけに、犬が玄関先や庭やベランダに繋がれたまま飼育放棄されているケースもあります。
飼い主が怪我や病気で入院しなければならなくなったとき、やむを得ず、犬を飼育し続けることが難しくなってしまうケースもあるでしょう。
3.問題行動への対処ができないこと
犬の飼育放棄につながる原因は、問題行動への対処ができないことです。
吠え癖、噛み癖、トイレの失敗、他人や他犬への攻撃性など、犬が抱える様々な問題行動への対処ができないことが、飼育放棄の原因になることがあります。
犬はみんな同じではありません。ですから、同じようにしつけをすればよいというものでもありません。犬の性格や個性に合ったしつけやトレーニングが必要です。
問題行動への対処ができないのは、犬の本能や習性をよく理解していないことも原因のひとつです。
4.病気になったこと・介護が必要になったこと
犬の飼育放棄につながる原因は、病気になったこと・介護が必要になったことです。
病気になると、医療費も増えます。食事や排泄の介助が必要になることもあります。嫌がるお薬も飲ませなければなりません。
高齢になると、介護が必須になります。夜鳴きをすることもありますし、徘徊をすることもあります。
歩くことが難しくなった大型犬では、体を支えるだけでも大変なことです。飼い主の体力的な問題が飼育放棄の原因になることがあります。
人間には老々介護なんて言葉がありますが、愛犬と飼い主の間にも同じように老々介護が起こることがあります。高齢の飼い主が高齢の犬を介護することがあるのです。
飼う前に確認すべきことや飼い主としての責任

- 犬を飼うだけの経済力の余裕があるのか
- 犬のお世話にかかる時間を十分に確保することができるのか
- ライフスタイルの大きな変化が起こる可能性があるのか
お散歩に行くこと、ごはんやおやつを与えること、ブラッシングをすること、シャンプーをしてあげること、一緒に遊んであげること、トイレを掃除してあげることだけが犬のお世話ではありません。
ただごはんを与えるのではなく、愛犬の健康状態を知った上で、栄養の管理をしなければなりません。好きなように食べさせていては肥満や病気の原因になります。
日々の健康管理を徹底していても、大きな怪我や病気をすることがあります。長い期間、介助や介護が必要になるかもしれません。高額な治療費がかかるかもしれません。
飼い主には、犬が安心して安全に快適に暮らせる環境を与える義務があります。犬の本能や習性にも十分な理解が必要です。
まとめ

犬の飼育放棄につながる原因を4つ解説しました。
- 飼育にかかる高額な費用
- ライフスタイルが変化したこと
- 問題行動への対処ができないこと
- 病気になったこと・介護が必要になったこと
犬を簡単に手放すことができるのは、犬の一生や命への覚悟と責任が足りないからでしょう。毎日のお世話だけでなく、将来的な介護を含めて考えることが必要です。



