犬に「こたつ」を使うときのタブー行為4選

1.長時間の使用
犬は心地よさからこたつに長時間とどまりがちです。これは熱中症や脱水症状を引き起こす非常に危険な行為です。犬は全身でこたつに入るため、人のように部分的に温めるのと異なり、体全体の温度が過度に上昇しやすい状態になります。
特に水を飲まずにいると、体内の水分が奪われて脱水が進みます。飼い主が「気持ちよさそうに寝ている」と思っていても、実際は暑さにぐったりしている可能性もあるので注意が必要です。
こたつを利用する際は、定期的に電源を切ったり、犬に声をかけて外に出るよう促したりして、熱がこもるのを防ぐ必要があります。
2.設定温度を高温にする
こたつの設定温度を高くすることは、犬にとって低温やけどや急激な体温上昇のリスクを高めるので注意しなければいけません。犬は熱いと感じても、快適さからその場を離れにくい性質があります。
特に長時間、熱源に近い状態で温まり続けると、皮膚の深い組織が損傷する低温やけどを負う可能性があります。低温やけどは見た目では分かりにくく、発見が遅れることも少なくありません。
また、高温設定は脱水や熱中症をいっそう引き起こします。犬の安全のため、こたつは必ず「弱」などの低い温度設定にし、犬の体に負担がかからないよう配慮するようにしましょう。
3.こたつの中に頭まで潜らせて放置する
犬がこたつ布団の中に完全に潜り込んで長時間いると、酸欠になる危険性があります。こたつの中は密閉された空間になりやすく、犬の呼吸によって二酸化炭素濃度が上昇し、新鮮な酸素が不足してしまいます。
特に体が小さく非力な犬の場合、苦しくなっても自力で布団を持ち上げたり、外に出たりできない可能性があります。
また、頭まで潜ることで、顔周りからも熱が逃げにくくなり、脱水や熱中症のリスクも高まるので注意が必要です。犬が潜りたがる場合は、布団の端をクリップなどで持ち上げて、常に新鮮な空気が循環する隙間を作るようにしましょう。
4.留守番中に使用させる
犬だけでこたつを使用させることは、重大な事故や緊急時の対応遅れにつながるため、絶対に避けなければなりません。こたつはヒーター部分に布団が触れて火災を引き起こしたり、いたずら好きな犬が電源コードを噛んで感電したりするリスクがあります。
また、万が一、急に熱中症や脱水症状で体調を崩した場合、飼い主がそばにいなければ異変に気づけず、救急対応が遅れて命に関わる事態になる可能性があります。
留守番中や夜間など、飼い主の目が届かない時間は、こたつの電源を切り、エアコンなど他の安全な暖房器具を利用してください。
注意が必要な犬種・状態

子犬は体温調節機能が未熟で、こたつ内の急激な温度変化に対応できず熱中症や脱水になりやすい上、コードを噛んで感電するリスクも高いため使用は控えるべきです。
老犬は、暑さや寒さの感覚が鈍くなっているため、自力での移動や体温調節が難しくなり、気づかないうちに低温やけどや熱中症になる危険性があります。
また、フレンチブルドッグなどの短頭種は、体温調節が苦手なため、熱がこもりやすいこたつは特に危険です。
腎臓病などの持病を持つ犬は脱水が進みやすいため、こたつ使用は獣医師と相談の上、細心の注意を払う必要があります。
「こたつ」を安全に使用するための正しい使い方

犬にこたつを使う際は、設定温度を「弱」に保ち、長時間連続使用を避けるためにタイマーを活用するか、飼い主が頻繁に様子を確認することが基本です。こたつの中の空気が滞留しないよう、布団の端を常に少し開けておき、空気を入れ替えられるようにしましょう。
また、脱水対策として、こたつのすぐ近くに新鮮な水を用意し、水分補給を促すようにしてください。
コードは必ず保護カバーで覆うか、犬が届かないように設置し、「犬用こたつ」のように安全設計された製品を選ぶことも大切です。飼い主がそばにいるときだけ使うルールを徹底するようにしましょう。
まとめ

こたつは愛犬にとって魅力的な暖房器具ですが、人とは異なる体の仕組みや行動特性を理解しないまま使うと、熱中症、脱水、低温やけど、感電などの重大な事故を招く可能性があります。
特に体温調節が難しい子犬・老犬・短頭種には注意が必要です。これらのリスクを回避するためには、「長時間の使用」「高温設定」「留守番中の使用」といったタブー行為を厳禁とし、低い温度設定や定期的な換気と水分補給を徹底するなど、安全対策を講じることが、愛犬の健康を守り、快適な冬を過ごすための鍵となるでしょう。



