犬が体調不良のときに見せる舌の変化5つ

舌は血流・酸素・水分など身体の状態を反映する器官です。普段と違う色や形、動きが見られたら、体調不良のサインかもしれません。
1.舌が青紫〜黒っぽくなる(チアノーゼ)
舌の色が青っぽく見える場合、体内の酸素が不足している可能性があります。呼吸器や心臓の異常によって酸素の取り込みがうまくできていない状態で、緊急性が高いと言えます。
2.舌が白っぽい・淡いピンクになる
健康な犬の舌は鮮やかなピンク色ですが、極端に白っぽい舌は貧血やショック状態の可能性があります。出血や内臓の異常、脱水などが背景にあることもあり、注意が必要です。
3.舌が乾いてカサついている
唾液の分泌が減って舌が乾燥しているときは、脱水や発熱、代謝異常が疑われます。あわせて口臭や元気のなさ、水の飲み方などもチェックしましょう。
4.舌が腫れている・左右非対称になっている
アレルギー反応や感染症、外傷などで舌が腫れることがあります。異物を飲み込んだ直後や、急な腫れ・よだれの増加が見られるときはすぐ受診を。
5.舌の動きがおかしい・だらんと垂れている
舌をうまく動かせない、常に口から出ているような状態は、神経系の異常や口腔内の異常が関係している可能性があります。神経の疾患や、重度の疲労・脱水の可能性も。
その舌の変化で疑われる病気とは?

舌の異常はさまざまな体のトラブルと関係しています。代表的なものは以下の通りです。
- 青紫の舌:心不全、肺疾患、気道閉塞、ショック状態
- 白っぽい舌:貧血、出血、循環不全、極度の脱水
- 乾燥した舌:脱水、発熱、糖尿病、腎不全
- 腫れた舌:アレルギー反応、感染症、虫刺され、口内の腫瘍
- 動きがおかしい舌:神経障害、てんかん発作、熱中症など
軽い体調不良のサインから、命に関わる重大疾患まで幅広く関係していることがわかります。
こんなときはすぐに動物病院へ

舌の状態に異常が見られたとき、「しばらく様子を見てもいいのか」「すぐ受診すべきか」は悩ましい判断ポイントです。
以下のような症状が突然現れた場合や、数時間〜1日以上改善しない場合は、迷わず動物病院を受診しましょう。
呼吸が苦しそう/舌が青紫〜黒っぽい
これはチアノーゼと呼ばれる状態で、心臓や肺の重大な異常が原因で起こります。ハアハアと浅い呼吸をしながら舌が暗く変色している場合は、緊急性が高いため、すぐに動物病院へ。
舌が急に白くなった/ぐったりしている
貧血やショック状態が疑われます。出血や内臓疾患、脱水などが背景にあることも。呼びかけに反応が鈍い、立ち上がらないなどの症状を伴う場合は、即時対応が必要です。
舌が腫れている/アレルギーのような反応がある
虫刺されや食べ物によるアレルギー反応で舌や口まわりが急激に腫れることがあります。呼吸困難やよだれの増加、じんましんなどが見られたら、アナフィラキシーショックの前兆かもしれません。
水を飲めない/食べようとしない/舌が垂れたまま
舌の神経や筋肉に異常があると、食べ物や水をうまく飲み込めなくなります。脱水や栄養不足が進行する前に受診を。
明らかに元気がない/舌の異常が長引いている
明らかな異常がない場合でも、舌の異常+元気消失や食欲低下が半日以上続くようなら、体内で何かトラブルが起きているサインです。
まとめ

犬の舌は、体調や健康状態のバロメーターともいえる大切なチェックポイントです。日頃から愛犬の舌の色や質感、動きに注目しておくことで、体調の変化にいち早く気づくことができます。
「ちょっと変かも?」と感じたときこそ、早めに対応してあげることが、愛犬の命と健康を守ることにつながります。普段の元気な状態を知っておくことも、何よりの予防になります。



