犬がうっとりするのはどんな時?

犬は、人と一緒に暮らしていくうちに、人の感情表現とよく似た表情を作れるように進化してきたと考えられています。その一例が、犬の祖先であったオオカミにはなかった、目の周囲の筋肉の発達です。このおかげで、犬も相手を信頼し穏やかな気持ちでいるときに、目を細める表情を作れるようになりました。
さらに犬は、何も心配することがなく、心からリラックスしているときには全身の筋肉を緩めます。そのせいか、リラックスしているときには、口を軽く開けたり舌を垂らしたりしていることも多いです。
このように、愛犬が全身の力を抜き、目を細めて口元を緩めているような表情をしている時は、人と同じように、強いポジティブな感情から「うっとり」していることを表していると考えられます。
では具体的に、犬がうっとりした表情を浮かべているときの心理について、考えてみましょう。
犬がうっとり顔を見せるときの心理

1.完全にリラックスしている
その時々の状況によって異なりますが、うっとりした表情を見せているときの犬は、完全にリラックスしていることに間違いはないでしょう。不安などのネガティブな気持ちを少しでも抱えていれば、体や顔に力が入り、柔らかな表情にはなりません。
愛犬がうっとり顔を見せている時は、驚かせたり怖がらせたりしないように気をつけてあげましょう。
2.心地よい眠さに身を任せている
犬種にもよりますが、多くの犬は体を動かすことが大好きです。飼い主さんと一緒にお散歩に行ったり思いっきり遊んだりした後の、軽い疲労感と満足感を感じているときの愛犬は、うっとりした顔でうとうとと気持ちよさそうにまどろんでいることが多いです。
3.満足感に浸っている
犬にとって、美味しいご飯を食べることも、大きな楽しみの一つです。また社交的な犬であれば、仲の良い犬同士で過ごす時間も、大きな楽しみの一つです。このように、飼い主さんや仲の良い犬友達との交流の後で、まるで思い出しながら満足感に浸っているようにうっとりした表情を浮かべることもあります。
4.この上なく気持ちが良い
もっとも多くの飼い主さんが実感している愛犬のうっとり顔は、スキンシップの時ではないでしょうか。犬には、それぞれに撫でられたりマッサージをされると気持ちよく感じる部位があります。
よく動かす耳の付け根の部分や、常に体重の7割近くを支えている前足や肩、首のまわりの筋肉などは、多くの犬が気持ちよさそうに撫でられる部位です。他にも、犬が自分で掻くことのできないような部位など、愛犬のうっとりポイントを見つけてあげましょう。
愛犬がうっとりするほど喜ばせる方法

飼い主さんとのスキンシップ
飼い主さんとのスキンシップを喜ぶ犬であれば、撫でるだけではなく、ブラッシングも喜びます。さらに、犬のためのマッサージ法を身につけ、マッサージをしてあげることで、喜ばせるだけではなく健康管理にも活かせます。
撫でたりマッサージを喜ぶ犬には、しつけの際のご褒美にスキンシップを活用することもできます。おやつばかりではなく、愛犬が喜ぶスキンシップや遊びなども取り入れると、効果的なしつけができるでしょう。
心理的な満足感も十分に与える
飼い主さんが大好きな犬であれば、一緒に過ごす楽しい時間に満足して、うっとりするような表情を見せてくれることもあります。散歩や遊びの内容を楽しく濃密にしたり、美味しい食事やおやつを利用したトリックのトレーニングを行ったりして、満足度の高いコミュニケーションを図りましょう。
心地よい運動でストレス発散
最適な運動量は個々に違いますが、小型犬だからといって運動が不要だというものではありません。個々の犬に適した運動をさせることで、ストレスを発散させ、心身の健康な暮らしにつなげましょう。
特に運動が好きな犬であれば、休日などを利用して広いドッグランで思いっきり走り回らせたり、仲の良い犬友達と遊ばせたり、飼い主さんと一緒にドッグスポーツを楽しんだりなど、少し激しめの運動でストレスを発散させ、うっとりするような心地よい疲労感を与えてあげましょう。
まとめ

犬の表情や仕草、行動を、なんでもかんでも擬人化して考えてしまうことには問題があります。しかし、犬が見せる笑顔やうっとりした表情には、私たちと共通した心理が現れていると考えられます。
愛犬とのコミュニケーションの中に、愛犬がうっとりするほど喜ぶようなスキンシップや満足できる濃密な時間を増やすことで、深くて強い絆で結ばれた家族関係を構築していけるでしょう。



 
				 
					 
		 
				 
				