犬のしっぽが持っている役割
1.体のバランスを取るための役割
犬のしっぽには、体のバランスを取るための役割があります。
お散歩をするとき、ただ歩いているだけのように見えて、しっぽを観察していると、ユラユラと振って歩いていることが分かります。
ドッグランで楽しそうに走り回っているときであれば、カーブを曲がるとき、旋回するとき、それとは逆方向にしっぽを振っている様子を見ることもできます。
しっぽが舵のような役割を果たし、しっぽを動かすことで体のバランスを取り、真っ直ぐ歩いたり、走りながら旋回したりすることができるのです。
2.肛門嚢からの分泌物のニオイを広げるための役割
犬のしっぽには、肛門嚢からのニオイを広げるための役割があります。
肛門嚢からの分泌物には、犬の個人情報が詰まっています。犬同士がおしりのニオイを嗅ぎ合うのはこのためであり、性別・性格・健康状態などが分かるとされています。
犬がパタパタと大きくしっぽを振ったとき、空気の流れによって肛門嚢まわりのにおいが広がりやすくなるともいわれています。これにより「ぼくはここにいるよ~」と、おともだち犬に自分の存在を知らせることができるのです。
3.体温を調整するための役割
犬のしっぽには、体温を調整するための役割があります。
犬が体を丸めて寝ているとき、しっぽを顔に巻き付けるようにしていることがあります。長毛種であったり、しっぽの長い犬であったり、 柴犬のようなふわふわのしっぽを持つ犬であると分かりやすいかと思います。
しっぽを顔に巻き付けるようにするのは、冷気から守るためです。とくに鼻先を覆うようにして巻き付けることがあります。冷たい空気を吸い込んでしまわないためなのでしょう。
4.相手に気持ちを伝えるための役割
犬のしっぽには、相手に気持ちを伝えるための役割があります。
攻撃をする意思があるということを伝えたいときは、しっぽをピンッと上向きにします。自分の強さをアピールするための仕草でもあります。
攻撃をする意思がないということを伝えたいときは、しっぽを下げたり、足の間に挟んだりします。不安や緊張のサインでもあるでしょう。
犬のしっぽの動きから分かる感情サインの見分け方
しっぽを大きくゆったりと左右に振る
嬉しそうな笑顔で飼い主のことを見つめているときの犬のしっぽは、大きくゆったりと左右に振られていることがあります。
嬉しい・楽しい・安心などの感情が込められているときのしっぽの動きです。しっぽを振るスピードが上がることがありますが、さらに気持ちが高まり、やや興奮気味であるからです。
しっぽをピンッと高く上げてゆったりと左右に振る
犬が相手のことをジッと見つめ、しっぽをピンッと高く上げてゆったりと左右に振っているときは、警戒して緊張しているものの、攻撃する意思があり、自分の強さに自信を持っているサインです。
飼い主が“行くよ!”とリードを引っ張っても、相手のことをジッと見つめたまま絶対に視線を外そうとしません。
下げたしっぽを足の間に挟む
不安になると、犬のしっぽは少しずつ下がっていきます。不安に加えて怯える気持ちがあるとき、下げたしっぽを足の間に挟むことがあります。
怖がりな性格であり、雷や花火などの大きな音に極度のストレスを感じているとき、下げたしっぽを足の間に挟み、体をブルブルと震わせる様子もあります。
まとめ
犬のしっぽが持っている役割を4つ解説しました。
- 体のバランスを取るための役割
- 肛門嚢からの分泌物のニオイを広げるための役割
- 体温を調整するための役割
- 相手に気持ちを伝えるための役割
しっぽには様々な役割があり、しっぽの動きによって犬の感情サインを見分けることができますが、しっぽの動きだけで犬の気持ちを読み取ろうとするのは不十分であると言えます。
耳の動き、視線の動き、体の姿勢、鳴き声など、他の要素も組み合わせて読み取る必要があります。正しく理解するためには、犬の全身の動きをよく観察するようにしましょう。