犬が要求しているときのサイン4選
犬が飼い主さんにお願いがあるときに見せる特有の行動(サイン)があります。例えば、ご飯が欲しい、散歩に行きたい、遊んでほしいといった要求を飼い主さんに伝える際に見られるものです。ここでは代表的な要求のサインを4つ取り上げ、それぞれの意味について詳しく見ていきます。
1.吠える・鳴く
犬が欲求を伝える際の最もわかりやすいものが「吠える」「鳴く」です。特に、ご飯がほしいときや遊んでほしいときに見られます。
愛犬の可愛さから要求されるとついつい応えてしまうという飼い主さんも多いかもしれませんね。しかし、頻繁に要求に応えていると「吠えれば望みが叶う」と学習し、わがままになったり、無駄吠えをしたりする原因になりえます。
犬が鳴くのはコミュニケーションのひとつですが、飼い主さんは「今は応じるべき状況か」を冷静に見極めて対応する必要があるでしょう。応えすぎも問題ですが、常に要求に応えないのは、信頼関係を築くうえでマイナスになってしまうこともあります。
2.ジーッと見つめる
犬が飼い主さんをじっと見つめるのは、純粋な愛情表現である場合もありますが「何かをしてほしい」というサインでもあります。
例えば、食事や散歩の時間などに目をウルウルさせながら見つめてくる犬もいます。また、困ったことが生じた際にも、飼い主さんをジーッと見つめて「助けて」と訴えてくることも。状況によっては、飼い主さんではなく食器、お気に入りのおもちゃ、リードなど要求の対象になるものをジーッと見つめる犬もいます。
すぐに要求に応えずに待たせていると、鼻でツンツンと押す、吠える、体を擦り付けるなどさらに強いアピール方法に出る犬も少なくありません。
3.体を擦り付ける
犬が飼い主さんに体を擦り付けるのは「撫でてほしい」「構ってほしい」「抱っこしてほしい」といったときに見られる要求のサインです。甘えたい気持ちや安心感を得たいときによく見られる行動です。
このようなときは、愛犬を安心させるためにも、ぜひ要求に応えてあげてください。少しだけ手を止めて愛犬の気持ちに寄り添うだけでもかまいません。愛犬との絆が深まるきっかけにもなるでしょう。
4.前足でトントンしてくる
犬が前足でトントンと飼い主さんに触れるのは「もっと注目して」「遊んでほしい」といった積極的なサインです。人間に例えると「ねえ、ねえ」と話しかけているような感じでしょうか。
多くの場合は可愛らしい要求行動として受け止められますが、放置するとしつこく続けることもあります。特に小型犬では頻繁に見られる行動で、なんとなくでも要求に応じてしまうと「トントンすれば必ず構ってもらえる」と学習します。
適切に対応するには、落ち着いたタイミングで相手をするなど、メリハリを持たせることが大切です。
執拗なアピールへの対処法
犬の要求サインは可愛らしく見える一方、すぐに要求に応えていると、執拗に要求するようになったり、問題行動に発展したりする恐れがあります。大切なのは「すべての要求に応じない」「すぐに要求に応じない」というルールを徹底することです。
例えば、吠え続けたときにすぐ応えてしまうと、犬は要求があるたびに吠えるようになります。正しい対処法は、要求をやめたり、落ち着いたりしたタイミングで褒めたり、望んでいるものを与えることです。これにより犬は「落ち着けば欲求が満たされる」と学習します。
犬の要求には、適切なタイミングでメリハリを持って応えるようにしましょう。
まとめ
犬は人間の言葉を話せない代わりに、吠える、見つめる、体を擦り付ける、前足でトントンするなどの行動で欲求を伝えます。これらを正しく理解することは、犬との信頼関係を築くために欠かせません。
ただし、すべての要求に応えてしまうとわがままを助長し、問題行動につながる恐れもあります。愛犬が「なぜ」「なにを」要求しているのかを冷静に見極め、時には要求に応じないことも大切なのです。