犬がペロペロ舐める理由4選
犬にとって、舐める行為には愛情表現や安心感の確認、ストレス解消など多様な意味があります。状況やタイミングをよく観察することで、犬の心理や体調を理解する手がかりになります。ここでは、犬が舐める理由を4つのパターンに分けて解説します。
1.コミュニケーション
犬が飼い主さんやほかの犬を舐めるのは、愛情や信頼を示すコミュニケーションのひとつです。子犬の頃、母犬に舐められることで安心感を覚えることから、大人になっても舐める行動を通じて「仲間である」という意思表示を続けているのだと考えられます。
飼い主さんに対しても、撫でてほしい、遊んでほしいといった意思表示として舐めることがあります。
コミュニケーションとしてのペロペロは無理に止める必要はなく、犬の愛情表現として受け止めてあげましょう。ただし強く噛む癖が出ている場合は対応が必要です。
2.病気・怪我
犬がやたらと舐める場合は、体調不良や病気のサインであることもあります。口の中のトラブルや皮膚のかゆみ、痛み、消化器系の不快感などが原因で自分や飼い主さんの手を舐めることがあります。急に舐める回数が増え、同時に食欲が落ちる、元気がないなどの様子が見られる場合は注意が必要です。
体調不良の場合は、膵炎や口腔腫瘍など命に関わる病気も疑われるため、ほかに症状が見られなくても、異様に舐め続けている場合は獣医に相談することをおすすめします。
3.落ち着かせようとしている
犬は不安や緊張を感じたときに、自分や飼い主さんを舐めることで心を落ち着けようとします。これはストレス解消のセルフケア行動のひとつで、飼い主さんに向かって舐める場合は「安心して」という意思表示でもあります。
環境の変化や来客時など、緊張しやすい状況でよく見られる行動です。犬が安心して休める場所に寝床を用意するなど環境を整えてあげましょう。
また、飼い主さんが愛犬を叱っているときにも見られることがあります。「もう、怒るのをやめて」「落ち着いて」という愛犬からのお願いです。強いストレスを感じているサインでもあります。叱るのをやめて気持ちを落ち着かせてあげましょう。
4.いいニオイがする
犬は嗅覚が発達しているため、ニオイの強いものや食べ物の残り香を感じると舐めることがあります。飼い主さんの手や顔、服、食器などを舐めるのは、単純に「興味がある」「おいしそうなニオイがする」せいで気になって舐めているのです。
また、食べ物以外にも外から帰ってきた飼い主さんについているニオイが気になって情報収集のために舐めることも。
隠れてこっそりおいしいものを食べたり、ほかの犬と触れ合ったりしたのも、愛犬はすべてお見通しなのです。
舐めさせ続けた場合の悪影響とは?
犬に舐めさせ続けると、飼い主さんや周囲にとって不快感や衛生上のリスクが生じることがあります。舐めることで皮膚や口内の細菌が移動し、感染症の原因になる場合も。また、犬自身にとっても、舐めすぎにより皮膚炎や毛の損傷が起こることがあります。
さらに、過剰に舐める行動はストレスや不安のサインである場合もあり、放置すると精神的な問題に発展する可能性もあります。舐める行動がエスカレートしている場合は、適度に制止したり、代替行動を教えることが望ましいです。
また、病気が疑われる場合は、獣医師に相談しましょう。
まとめ
犬がペロペロと舐める行動には、さまざまな理由が考えられます。愛情表現や信頼のサインとして飼い主さんを舐めることもあれば、不安や緊張を和らげるため自分を舐めることもあります。
また、口や皮膚の不快感など体調不良のサインとして見られるケースもあり、注意が必要です。さらに、食べ物の残り香への好奇心から舐める場合も少なくありません。
飼い主さんは、愛犬が「いつ」「どのように」舐めているのかを観察し、必要に応じて接し方を工夫したり、環境を整えたり、健康チェックをしたりするなどの対応が求められるでしょう。