犬のおしっこは一日何回が正常?
健康な成犬の平均的なおしっこの回数は、1日3〜5回が目安です。ただし、子犬は膀胱が未発達なため5〜8回ほどになることも。逆にシニア犬では、筋力や腎機能の変化により回数が増える傾向があります。
また、「お水をよく飲む」「涼しい日が続く」「あまり運動しない」などの条件でもおしっこの回数は変動します。重要なのは“昨日と違う変化”に気づくこと。急に犬のトイレ回数が多くなった場合は、健康チェックのサインです。
犬のトイレ回数が多いときに考えられる原因
犬の排尿回数は、日々の体調や生活環境を映す大切なサインです。普段よりトイレの回数が増えている場合、一時的な生理現象のほかに、体の中で何らかの変化が起きている可能性も考えられます。
水分摂取量や気温などの環境要因から、ホルモンや内臓の異常まで、その原因はさまざま。ここでは、犬のトイレ回数が多くなる主な理由を具体的に見ていきましょう。
1.水分を多く摂っている
暑い季節や運動量が多い日、水をたくさん飲むと自然におしっこの回数も増えます。この場合は生理的な頻尿であり、特に心配はいりません。
2.食事の影響
ドライフードからウェットフードに変えた場合や、スープ・手作りごはんを与えているときも排尿が増えやすくなります。
水分量が増えるとおしっこが薄くなり、回数が増えるのは自然な反応です。
3.ストレスや環境の変化
引っ越し、留守番時間の増加、新しい家族の登場など、精神的ストレスが原因で頻尿になることもあります。
ストレスによる膀胱刺激は一時的なもので、安心できる環境を整えることで改善するケースが多いです。
犬の頻尿・排尿異常に隠れている病気
生活環境や水分量の影響で一時的にトイレの回数が増えることもありますが、それが長く続いたり、排尿の様子に違和感がある場合は、病気が原因になっている可能性もあります。
特に、膀胱や腎臓、内分泌系の異常は「頻尿」「少量ずつしか出ない」「血尿」などの症状として現れやすいものです。ここでは、犬の頻尿や排尿異常の背後に潜む主な病気について詳しく見ていきましょう。
膀胱炎
細菌感染によって膀胱に炎症が起きる病気で、排尿時の痛みや血尿が特徴です。「トイレに行くのに少ししか出ない」「排尿時に鳴く」といったサインが見られたら、早めの受診が必要です。
尿石症(尿路結石)
尿の中にできた結晶や石が尿道を刺激し、排尿困難や血尿を引き起こします。おしっこが出にくい、ポタポタとしか出ない、回数だけ多いなどの症状がある場合は、緊急対応が必要なケースもあります。
糖尿病
血糖値が上がると、体が余分な糖を尿と一緒に排出しようとするため、多飲多尿の状態になります。「水をよく飲む+おしっこが多い」が同時に見られるときは、糖尿病の初期サインかもしれません。
腎臓病
シニア犬に多く見られる病気で、薄い色の尿を頻繁にするのが特徴です。腎臓の機能が低下すると尿を濃縮できず、結果としておしっこの量や回数が増えます。
おしっこの異変に気づくためのチェックリスト
犬のおしっこは“量より質”も大切です。次の項目を日常的に観察してみましょう。
- おしっこの回数が増えた or 減った
- 尿の色(透明、黄色、赤っぽい)
- 尿のにおい(強い鉄っぽい)
- 排尿姿勢や表情に変化がある
- トイレを失敗するようになった
これらのサインが見られる場合は、動物病院で尿検査を受けると安心です。
まとめ
犬のおしっこの回数は、健康状態を知るための大切な指標です。成犬なら1日3〜5回が平均ですが、季節や体調によって変わります。
急な頻尿・多尿・血尿が見られるときは、膀胱炎や尿石症などの病気が隠れている可能性もあるため、早めの受診を心がけましょう。
日々の観察が、愛犬の健康を守るいちばんの“予防”になります。