犬が見知らぬ人に吠えてしまう理由

1.警戒心と縄張り意識
犬が見知らぬ人に吠えてしまう大きな理由のひとつが、警戒心や縄張り意識です。
本来、犬は群れで生活する動物であり、仲間や生活空間を守るために吠える習性があります。見知らぬ人が近づけば、「侵入者だ!」と感じ、仲間に知らせたり追い払おうとするのです。
2.社会化不足による不安・緊張・恐怖
子犬の頃に「社会化期」と呼ばれる大切な時期があります。この時期に人と十分に触れ合えなかった犬は、成長してから見知らぬ人を怖がったり、威嚇して吠えたりするようになることがあります。
不安や緊張、恐怖が強く出てしまい、防御のために吠えるのです。
3.自己主張をするため
「こっちに来ないで!」「私に近づかないで!」という拒絶の気持ちから吠える場合もあれば、「遊んで!」「こっちに来て!」というアピールで吠えることもあります。
つまり、見知らぬ人に吠えるのは、犬なりの自己主張のひとつでもあります。
4.防衛本能
過去に見知らぬ人から嫌な思いをした経験があると、「見知らぬ人=嫌なことをされる」と学習してしまいます。
飼い主が覚えていないような小さな出来事でも、犬にとっては大きなトラウマになっていることがあります。その結果、防衛本能から吠えるようになるのです。
見知らぬ人に吠えるときの犬の仕草に隠された心理

体を硬直させる
- 強い警戒心
- 強い緊張
強い警戒心や緊張のサインです。もしもの時にすぐ動けるよう、身構えている状態です。
しっぽを下げる(足の間に挟む)
- 不安
- 恐怖
不安や恐怖を感じています。しっぽを下げたまま吠える犬もいれば、動けなくなってしまう犬もいます。
しっぽを真上に立てて吠える
「ここは私の縄張りだ!」と主張しています。勇敢に見えても、実は不安や緊張が隠れている場合もあります。
吠えながら後ずさりをする
激しく吠えていても、本当は怖がっているサインです。臆病な犬によく見られます。
見知らぬ人に吠える愛犬に対して飼い主ができる対処法

無理に慣れさせようとしないこと
見知らぬ人に吠えるからといって、無理に触れ合わせるのは逆効果。警戒心や恐怖心を強めてしまいます。
社会化トレーニングを行う
子犬であれば、社会化トレーニングの適齢期。できるだけ多くの人と交流する機会をつくりましょう。
成犬の場合も、無理のない範囲で少しずつ慣れさせることが大切です。散歩中に優しく接してくれる人がいれば、飼い主も積極的に交流を試みてください。
犬同士であればフレンドリーに接する場合、ドッグランの利用もおすすめです。人が集まる環境に少しずつ慣れるきっかけになります。
まとめ

犬が見知らぬ人に吠えてしまう理由を4つ解説しました。
- 警戒心と縄張り意識
- 社会化不足による不安と緊張と恐怖
- 自己主張をするため
- 防衛本能
もし愛犬が吠えてしまっても、厳しく叱ったり大声を出したりするのは逆効果。犬を刺激し、不安や恐怖を強めてしまいます。
大切なのは、優しく声をかけて安心させ、落ち着かせてあげることです。




ユーザーのコメント
50代以上 女性 匿名
犬が吠えたら、「×××、ゴラ~、何やってんだ~」みたいな怒声を浴びせるばかりの飼主もいます。
二つ、お願いがあります。
1、犬の社会化のため、飼主は家や家の敷地の外に犬を日常的に連れ出して、いろいろな人や犬と接触させないといけません。そうでないと、犬が死ぬまで、周囲の人や犬は、見知らぬ人であり、吠え立ての対象であり続けます。見知った人でも、こうした配慮がないと、見知らぬ人扱いで、一生吠え立て続けています。
2、飼主は、犬が人を吠えたときに怒鳴りつけるのではなく、相手の人に対して親しみの態度を、犬の模範になるように示さなければいけません。犬は、飼主がフレンドリーに接している人に対して、いつまでも吠え立てを続けたり、警戒心を抱くことはないはずです。
いずれにしても、犬が人をやたらと吠えて生活被害を与えるのは、飼主責任です。