犬に『オテ』を覚えさせる3つのメリット
1.ボディケアや健康管理に役立つ
愛犬との生活で『オテ』が実用的に役立つこともあります。
そもそも犬の足先には神経が多く通っていて敏感な部分のため、足を触られたり掴まれたりすることを嫌がる傾向があります。
しかし、散歩から帰ったときに足を拭いたり洗ったりすることは日常的におこなうと思いますし、爪切りや足裏のケアなどで足を掴むこともあると思います。
肉球に傷ができたり、足の指の間に炎症が起きたりすることはめずらしくないため、日頃からこまめにチェックしておきたい部分でもあります。
そのようなときに足を持たれることを嫌がると、清潔さや健康を維持することがむずかしくなるだけでなく、犬にとっても飼い主さんにとってもストレスになることでしょう。
そのため、日頃から『オテ』を教えて手を触られることに慣らしておくと、飼い主さんをはじめ、獣医師やトリマーが触る必要があるときにもスムーズにおこなえると思います。
2.学びの楽しさを教えられる
かまって欲しいときや自分の要求を伝えたいときなどに、手を使って合図をすることがある犬にとって、『オテ』は比較的簡単な指示だと考えられます。
そのため、『オテ』を教える過程でほめてあげる機会も多く、犬は学習する楽しさや飼い主さんに認められる喜びを感じられます。
『オテ』を含めてトレーニングで何かを覚えさせることは、犬にとっていい刺激になります。
トレーニングの中で「どうすればごほうびがもらえるかな?」「何をすればほめてもらえるんだろう?」と頭を働かせるようになり、自発的に行動するようにもなります。
退屈は犬にとってストレスになるだけでなく、認知症の発症リスクを高めるともいわれています。
そのため、『オテ』など簡単な指示を教えることは、若い犬にとってもシニア犬にとっても“頭の体操”になるので、ぜひ一緒にチャレンジしてみてください。
3.人とのコミュニケーションに役立つ
『オテ』のようなトリックは、犬と人のコミュニケーションの手段でもあります。
『オテ』は可愛らしい行動でもありスキンシップにもなるので、飼い主さんだけでなく外で会った人などとの関わりにも役立ちます。
特に、犬に会ったときに子供から大人まで『オテ』の指示を出そうとする人が多いので、それができることでより一層可愛がってもらえるでしょう。
犬に『オテ』を教えるコツと注意点
楽しみながら教える
愛犬に『オテ』を教えるとき、ぜひ楽しみながら取り組むことを意識してください。
トイレや吠え、噛みつきに対するトレーニングとは違い、『オテ』は急いで教える必要がない種類のしつけ(トリック)です。
そのため、飼い主さんも気持ちに余裕を持って教えられると思うので、ぜひ焦らず楽しくトレーニングをしてくださいね。
飼い主さんがイライラしたりうまくいかないからと叱ったりすると、犬はトレーニングを嫌いになってしまいがちなので、『オテ』を通してトレーニングの楽しさを教えてあげましょう。
体型や年齢に合った方法でおこなう
『オテ』を教えるときに気をつけたいのが、犬に無理な姿勢をさせないということです。
犬が片手を上げる行動は、体型や体格によってはバランスを崩したり関節に負担をかけたりする可能性があります。
特にダックスフントのような胴長短足タイプの犬種は、片手を上げることが負担になりやすいので、手を出す高さなどに注意して無理なくできるようにしましょう。
同じように、骨格の発達が未熟な子犬や筋力が衰えてバランスを崩しやすいシニア犬の場合も注意してください。
勝手に『オテ』をしてもごほうびはあげない
犬に『オテ』を教えてしばらくすると、犬が自発的に『オテ』をしてくることがあると思います。
それは、「オテをすれば飼い主さんにほめてもらえる」ということを学習した証で、喜ばしいことではあります。
しかし、犬が勝手に『オテ』をしてきたとしても、おやつなどのごほうびをあげる必要はありません。あくまで飼い主さんが出した指示に従うことができたときに、ごほうびをあげるようにしてください。
犬が勝手に『オテ』をしたときにごほうびをもらうことが続くと、「飼い主さんは自分の思い通りに動かせる」と勘違いしてしまうことがあります。
そして、要求があるときに『オテ』を繰り返したり、ごほうびが出ないと怒り出したりするようにもなるので注意しましょう。
まとめ
愛犬に何気なく『オテ』を教えていたり、いつの間にか『オテ』を覚えていたりすることもあるのではないでしょうか。
トレーニングの中ではそれほど重視されていない『オテ』ですが、実は犬にとっても飼い主さんにとってもメリットがあるので、余裕があればぜひ教えてみてくださいね。