犬にみられる『ガン』の種類5選 放置すると危険な症状や病気を発症する原因まで

犬にみられる『ガン』の種類5選 放置すると危険な症状や病気を発症する原因まで

犬の死亡原因は『ガン』が最も多く、全体の約半数を占めています。ガンは早期発見して早期治療に移ることが完治や延命に何より重要です。本記事では、犬にみられる『ガン』の種類や危険な症状、さらに発症する原因を解説します。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

犬にみられる『ガン』の種類5選

犬の診察

犬の死亡原因第1位の『ガン』には、どのような種類がみられるのでしょうか。ここでは犬によくみられるガンの種類や放置すると危険な症状を解説します。症状がみられたら、すぐに動物病院に相談してください。

1.皮膚腫瘍

皮膚腫瘍には良性と悪性があり、良性は3歳未満の犬に発症する割合が多いとされています。

皮膚腫瘍は、皮膚にしこりができるので、スキンシップ中に「何かできてる」と気づくことが多いです。ただし、しこりが急速に大きくなったり痛みを感じている様子が見られる場合は、悪性の可能性があるので早急に動物病院に相談してください。

2.乳腺腫瘍

犬の乳腺チェック

乳腺腫瘍は、避妊手術をしていないメスにみられることが多く、お腹の乳腺に発生します。初期段階では、小さなしこりや赤み、時々出血をともなう様子がみられます。

ただし、悪性の場合は急速にしこりが大きくなったり、周囲が破れて出血したりと悪化が早い傾向です。放置していると他の部位に転移する恐れがあるので、すぐに動物病院で診てもらい、適切な治療を受けましょう。

3.リンパ腫

リンパのチェック

犬のリンパ腫とは、リンパ組織がガン化した状態を指します。リンパ腫を発症すると、その部位が腫れて膨らむので、初期段階ではスキンシップで異変に気づくことが多いです。

この異変を放置してしまうと、腫れが広がっていき、内臓にも影響を与えます。これにより、呼吸困難や重度の消化器症状、最悪の場合、臓器不全などの重い症状を発症する恐れがあるので、早急に診察を受けてください。

4.内臓のガン

内臓ガンには、肝臓や脾臓、膵臓、腎臓などさまざまな種類があります。ガンを発症している部位によって多少症状は異なりますが、多くの場合、食欲不振や元気消失、体重減少や嘔吐下痢の症状がみられます。

ただし、内臓のガンは初期段階で発見することは難しく、何らかの症状が出たら状態が進行しているケースが大半です。早期発見するには、定期的に健康診断を受けることが何よりも重要です。

5.消化器のガン

胃や腸などの消化器のガンも犬にみられるガンの種類の1つです。こちらも嘔吐や下痢、食欲不振などの症状がみられることが多く、加えてウンチがドス黒く変色するといった異常が現れることもあります。

進行すると、お腹が膨れてくることもあり、この症状が現れたら早急に動物病院を受診しなければなりません。早期に治療を受けるためにも、先に紹介した症状や健康診断結果を参考にしましょう。

犬がガンを発症する主な原因と予防法

獣医に頭を撫でられる犬

犬のガンの主な原因として、遺伝的要因や加齢による免疫力の低下、生活習慣の乱れなどが挙げられます。遺伝的要因は予防することはできませんが、生活習慣の乱れやストレスを与えない生活は改善できるでしょう。

例えば、以下の生活習慣を意識してみてください。

  • 犬の前でタバコを吸わない
  • 肥満にならないよう食事管理と運動管理を行う
  • 長時間、強い紫外線を浴びないよう気をつける
  • 発がん性のある化学物質に触れさせない
  • 生活環境を快適に整えてストレスを与えない

上記のような生活習慣・環境を心がけてみましょう。また、それに加えて避妊や去勢手術を行ったり、定期的に動物病院へ通い、健康診断を受けるといった予防方法も効果的です。

ただし、これらの生活習慣に十分気をつけていても、遺伝的要因や加齢、その他の要因でガンを発症することはよくあります。日頃から愛犬の体調やスキンシップによる異変に注意し、少しでも異変を感じたら受診するようにしましょう。

まとめ

動物病院に訪れる犬と飼い主

いかがでしたか。犬にみられるガンの種類はさまざまです。中には初期段階ではほとんど症状が現れないことも多いので、普段のスキンシップで異変を把握するだけでなく、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。

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