犬を混乱させる飼い主の行動
犬は人間の言葉をある程度覚えることができますが、その言葉に込められた細かな意味まで理解することはできません。
犬は言葉よりも、言葉を発しているときの飼い主の態度や行動を重視しています。
そのため、飼い主の何気ない行動が犬に誤解を与えたり、悪影響を与えたりすることがあるのです。
ときには「良い言葉」と「悪い行動」、逆に「悪い言葉」と「良い行動」が結び付いてしまう場合もあります。
1.一貫性のないしつけをすること
一貫性のないしつけは、犬を混乱させる原因になります。
たとえば、「ダメ!」と叱るときもあれば、「ダメだよ~」と笑って許してしまうときもある場合、言葉と行動が矛盾していると、犬はどうしていいか分からなくなってしまいます。
また、普段はソファーに上がることを禁止しているのに、その時の気分で「今だけはOK」としてしまうのも混乱のもとです。
犬は飼い主の都合まで理解できません。しつけには一貫性を持ち、家族間でもルールを統一することが大切です。
2.言葉と態度が一致しないこと
言葉と態度が一致しないのも犬を混乱させます。
たとえば、叱る場面で笑いながら「ダメ」と言ったり、呼び戻したい場面で強い口調で名前を呼んだりすることです。
犬が危険な行動をしているときは、低めの声でハッキリと「ダメ」と伝えましょう。
また、名前を強い口調で呼ばれると、犬は「叱られている」と感じ、不安や緊張から近づけなくなることがあります。
3.感情で行動を変えること
飼い主の機嫌によって態度を変えるのも、犬を混乱させる行動です。
機嫌がいいときは甘やかし、悪いときは厳しくする。これでは犬はいつも飼い主の顔色を伺うようになってしまいます。
その結果、飼い主が不機嫌だと察すると「体調が悪い」「トイレに行きたい」など、本来伝えたいことを表現できず、我慢してしまうこともあります。
4.スキンシップを強要すること
スキンシップの強要も犬を混乱させます。
たとえば、飼い主が帰宅したとき、犬がケージやベッドから出てこないことがあります。
そんなときに無理に抱きしめたり抱っこしたりするのは避けましょう。
犬が出迎えに来ないのは「安心してリラックスできている」証拠です。安全な環境で快適に留守番できているからこそ、わざわざ動く必要がないのです。
飼い主の行動が愛犬に与える悪影響
常に不安やストレスを抱える
飼い主の態度やルールが一貫していないと、犬は行動を予測できず不安を抱えます。
「また叱られるかも」という緊張がストレスとなり、落ち着いて過ごせなくなることがあります。
心が不安定になり問題行動をするようになる
安心できない環境で過ごすと、犬は心が不安定になり、問題行動を起こすことがあります。
家具や物を噛んで壊したり、自分のしっぽや足を噛む自傷行為、さらには飼い主や家族に攻撃的になる場合もあります。
まとめ
犬を混乱させる飼い主の行動を4つ解説しました。
- 一貫性のないしつけをすること
- 言葉と態度が一致しないこと
- 感情で行動を変えること
- スキンシップを強要すること
犬にとって飼い主は「安心」にも「不安」にもなる存在です。大切なのは、常に愛犬にとって安心できる存在であること。
行動には一貫性を持ち、気分や都合で対応を変えないように心がけましょう。