犬が視線で伝えようとしている気持ち
犬は言葉を話すことができない分、仕草や行動によって気持ちを表現します。視線や表情の変化もそのひとつです。
犬の視線には重要な役割があり、ジッと見つめることもあれば、フイッと逸らすこともありますし、チラチラと視線を向けることもあります。
視線や表情の意味を理解できれば、愛犬に対して適切に応えられるようになり、信頼関係や絆をさらに深めることができるでしょう。
1.ジッと見つめる:「信頼」「愛情」「安心」
犬が相手をジッと見つめるときは、その相手に対する信頼や愛情、安心の気持ちを示しています。
相手が犬であっても人間であっても同じです。安心感や愛情があるからこそ、落ち着いたまなざしで見つめることができるのです。
たとえば、飼い主から少し離れた場所で伏せながら見つめているときは、「ここで休んでいるから安心してね」といったメッセージのように受け取れるでしょう。
2.チラチラと視線を向ける:「注目されたい」「興味がある」
犬がチラチラと視線を向けてくるときは、注目されたい、あるいは興味があるという気持ちの表れです。
「かまってほしい」「甘えたい」というサインであることも少なくありません。声をかけたり遊んだりすると、犬は喜んで応えてくれるでしょう。
また、相手に配慮して強いアイコンタクトを避ける場合もあります。ジッと見つめるのは威嚇と受け取られることがあるため、チラチラと視線を送ることで柔らかい気持ちを伝えているのです。
3.フイッと目を逸らす:「敵意はない」「安心してほしい」
犬がフイッと視線を外すときは、「敵意はない」「安心してほしい」という気持ちを伝えていると考えられます。
犬同士では、にらみ合うことが威嚇や敵意を示すサインになります。その逆に、視線を逸らすことで「争いたくない」という意志を示すのです。
人間から見ると「そっけない」と感じるかもしれませんが、実際には相手に配慮した行動といえるでしょう。
犬に視線を向けられたときの適切な応え方
目を合わせて微笑む
犬がジッと見つめてきたとき、その表情が穏やかであれば、優しく目を合わせて微笑んで返してあげましょう。
犬の視力はおよそ0.2〜0.3程度といわれており、距離があると表情を認識しづらいことがあります。そのため、声も優しいトーンでかけてあげると、より安心させることができます。
「おいで」と呼んでみる
犬がチラチラと視線を向けてくるときは、「おいで」と声をかけてみましょう。
構ってほしい、甘えたい、遊んでほしいという気持ちであれば、犬の方から寄ってきます。反対に、寄ってこないときは「注目されたいだけ」の場合もあるので、無理に近づかなくても構いません。
無理に触れ合いをしないこと
犬がフイッと目を逸らすのは、敵意がなく「争いたくない」という気持ちの表れです。
このようなときに無理に触れ合おうとすると、犬にとってストレスになります。その気持ちを尊重し、距離を保つことが大切です。特に見知らぬ犬の場合は、不用意に近づかないようにしましょう。
まとめ
犬が視線で伝えようとしている気持ちを3つ解説しました。
- ジッと見つめる:「信頼」「愛情」「安心」
- チラチラと視線を向ける:「注目されたい」「興味がある」
- フイッと目を逸らす:「敵意はない」「安心してほしい」
犬の視線が自分に向けられていることに気づいたら、声をかけたり微笑み返したりすることで、より良い関係を築くことができます。
愛犬との日常の中で、こうした視線の意味を理解しながらコミュニケーションを取ってみてはいかがでしょうか。