犬が後ずさりしながら吠えるときの理由
1.不安で自ら近づきたくない
犬が後ずさりしながら吠えるのは、不安で自ら近づきたくないからです。
対象者または対象物に近づこうとしたとき、急に警戒したように後ずさりしながら吠えることがあります。
“これ以上は近づかない方がいいだろう”と判断したと考えられます。吠えるのは、“何となく威嚇しておこうかな”という気持ちなのでしょう。
2.恐怖を感じて「近づくな」と警告している
恐怖を感じて「近づくな!」と警告するとき、犬が後ずさりしながら吠えることがあります。
対象である何者かが犬に向かって近づいてきたのです。しかし、恐怖を感じ、「近づかないで」「こっちに来ないで」と吠えるのです。
吠えるのは、「それ以上近づくと攻撃するぞ!」という警告でもあります。
3.自分の縄張りに侵入した者への警戒心
自分の縄張りに侵入した者への警戒心から、犬が後ずさりしながら吠えることがあります。
犬にとっては自然な行動であり、防衛本能であると言えます。侵入者への強気な気持ちをあらわしたい、侵入者を追い払いたいという気持ちから吠えることがあります。
しかし、気が強いわけではありません。実際にはとても怖がりでビビリな犬ほど、侵入者に対して、後ずさりしながらよく吠える傾向にあります。
4.近づきたいけど恐怖心もある
犬が後ずさりしながら吠えるのは、近づきたいけど恐怖心もあるからです。
近づきたいという気持ちと、“でも何だか怖いんだよなぁ…”という気持ちとの葛藤が、後ずさりや吠えるという行動にあらわれているのでしょう。
激しく吠えるというよりも、「ウッ…ウッ…」と低くて小さい声を出すのが特徴です。
犬が後ずさりしながら吠えるときの心理
吠えることで相手を自分から遠ざけようとしている
最も一般的な犬の心理であると言えます。後ずさりするだけでは、まだ相手が自分に近づこうとしているのでしょう。相手を遠ざけたくて吠えるのです。
自分自身を守りたい
犬は本能的に危険を避けようとします。自分の力だけでは相手に勝つことができないと判断したとき、攻撃はせず、後ずさりをし、威嚇のために吠えるのです。
葛藤する気持ち
子犬や好奇心旺盛な性格の犬によく見られるのですが、「近づきたいな…」「でも何だか怖いな…」「興味はあるんだけど…」「緊張しちゃうな…」といった、葛藤する気持ちから吠えることがあります。
最終的な警告をしたい
後ずさりをしながら吠える犬のしっぽが下がっているとき、歯をむき出しにして威嚇をしているとき、近づくと攻撃されてしまう可能性が高いです。
近づかなければ攻撃はしません。後ずさりをしながら吠えることには、「近づくな」「近づかなければ攻撃はしない」「少しでも近づくと咬みつくぞ」などの最終警告の意味があるのです。
後ずさりをしながら吠える犬を落ち着かせるための対処法
距離を取らせること
愛犬が吠える対象となっている者から距離を取りましょう。小型犬であれば、抱っこしてその場を離れましょう。対象が視界に入らなくなれば、吠えることもないでしょう。
飼い主が落ち着いた声で話しかける
飼い主が焦って声をかけたり、「吠えないの!」と叱ったりすると、余計に犬を興奮させてしまい、激しく吠えたり飛びかかることもある恐れがあります。
“危険じゃないから大丈夫”と、余裕を持った冷静な声で話しかけるとよいと思います。
まとめ
犬が後ずさりしながら吠えるときの理由を4つ解説しました。
- 不安で自ら近づきたくない
- 恐怖を感じて「近づくな」と警告している
- 自分の縄張りに侵入した者への警戒心
- 近づきたいけど恐怖心もある
犬が後ずさりをしながら吠えることには、「不安」「緊張」「恐怖」「警戒」などの気持ちが込められています。
吠える愛犬を叱るのではなく、愛犬の気持ちを理解し、愛犬が安心して落ち着けるための対応をしましょう。