犬の『二足歩行』が絶対NGな理由4選
犬は四肢歩行に適した体の構造になっているため、二足歩行してしまうとあらゆる部分に負担がかかり、さまざまな健康リスクが懸念されます。ここでは、具体的に犬の二足歩行がNGな理由を解説するので、あらためて注意してください。
1.膝蓋骨脱臼を引き起こすリスク
犬は後ろ足で立ち上がると、膝の関節部分に大きな負担がかかります。犬の重心は6〜7割が前肢にかかっているため、その重みがすべて後ろ足にかかることで、膝を痛めてしまうのです。
特に小型犬は体が軽いため、軽々と立ち上がることができてしまいます。しかし、膝には強い負担がかかるため、膝蓋骨脱臼を引き起こしたり、悪化するリスクが特に高い傾向にあり、注意が必要です。
2.腰に負担がかかり疾患の原因に
犬が二足歩行することで負担がかかる部位は、膝だけではありません。腰にも多大な負担がかかるため、椎間板ヘルニアなどを発症する原因になることもあります。
これは、背骨が二足歩行による負担に耐えられる構造をしていないことが原因です。無理に二足歩行させることで、大きすぎる負担が腰にかかり、ヘルニアを発症するリスクが高まります。
3.姿勢が不安定になり転倒の危険
犬は二足歩行できる体の構造をしていないため、二足で歩いているときは、人間のように安定感のある歩行ができません。
そのため、姿勢が不安定になり、転倒や衝突といったリスクが高まり、最悪の場合、怪我をしてしまう恐れもあるでしょう。転倒は、脱臼や骨折、打身といったさまざまな怪我の原因となるので、絶対にやらせないでください。
4.負担が積み重なり将来的な疾患リスクが上昇
犬が二足歩行したからといって、すぐに症状や疾患を発症するわけではありません。しかし、何度も二足歩行したり後肢で立ち上がったりしていると、将来的に疾患リスクが上昇してしまいます。
例えば、先ほど話に出てきた椎間板ヘルニアなどは、立ち上がった直後に発症するのではなく、負担が積み重なり、徐々に椎間板に異常が生じることで発症します。
このように、将来的に生活に支障をきたすような症状の発症原因にもなりかねないので、意識的にやめさせましょう。
犬の『二足歩行』で起こり得る重篤な症状とは
犬の二足歩行を許容していると、膝蓋骨脱臼や椎間板ヘルニアといった症状を招きやすくなります。
椎間板ヘルニアを発症すると、足を引き摺るようになったり、自力で歩行できなくなったり、重症化すると後肢の麻痺や排泄障害を引き起こす恐れもあるので非常に怖い疾患です。
膝蓋骨脱臼も手術が必要になるケースもあるため、日頃から二足歩行しないように「お座り」「伏せ」などのコマンドに従えるようトレーニングしておきましょう。
二足歩行させないために飼い主が注意すべきこと
愛犬が二足歩行しないように飼い主が注意すべきことは、以下の通りです。
- 遊びの最中に興奮させすぎない
- 愛犬が興味を持つものを高く掲げない
- 二足歩行した時に喜んだり誉めたりしない
- 後肢で立ち上がったときは「お座り」コマンドですぐにやめさせる
以上の注意点を守り、愛犬の体に負担がかからないように配慮してあげましょう。
まとめ
犬が二足歩行してしまうと、体に大きな負担がかかってしまいます。怪我や疾患の原因になることもあり、最終的に生活に支障をきたす恐れもあるので、飼い主は日頃から注意しましょう。