犬が警戒中に見せるサイン
犬は本能的に、常に周囲を警戒しながら過ごしています。不安や緊張があると、その気持ちは表情や仕草、行動に表れます。
サインが大きく出ることもあれば、小さく出ることもあります。飼い主が見逃さずに対応できれば、犬の警戒心を和らげたり、安心感を与えたりすることができるでしょう。
犬が警戒しているときには、飼い主にも予測できないトラブルが起こることがあります。普段は穏やかな犬でも攻撃的になってしまうことがあるため、注意が必要です。
1.耳をピンッと真上に立てる
犬が耳を真上にピンッと立てるのは、警戒中に見せる代表的なサインです。
さらに耳を左右や前後に動かすのは、音や声のする方向に集中しているからです。耳を向けた先に警戒対象があることが多いでしょう。
犬の優れた聴力だからこそ聞き取れる音であり、人間の飼い主には聞こえないこともあります。
2.目を大きく見開く
犬が目を大きく見開くのも、警戒しているサインです。
瞳孔が開いて黒目がちになるのは、緊張や不安が高まっている証拠。ジッと見つめている場合は、「近づかないでください」という強いメッセージが込められています。
強い視線を送っているときは、絶対に近づかないようにしましょう。
3.体を硬直させて前傾姿勢になる
犬が体を硬直させ、前傾姿勢になるのも警戒サインのひとつです。
手足には力が入り、いつでも動ける状態を保っています。これは逃げる準備でもあり、攻撃に出る準備でもあります。
このとき、首元や背中の毛が逆立っていることも少なくありません。
4.低い唸り声をあげる
犬が低い唸り声をあげるのは、「近づくな!」という警告です。
警告を無視すると、激しく吠えたり、伸ばした手を咬んでしまうこともあります。
唸り声をあげるときの口元にも注目しましょう。
- 口を軽く開ける程度→警戒心は高まっていますが攻撃性はまだ低め
- マズルにシワを寄せ、歯が少し見えている→警戒と攻撃性が強まっている状態
- 犬歯がはっきり見えるほど口を開けている→すぐにでも攻撃する恐れがあるため要注意
警戒中の犬を落ち着かせるためのコツ
犬に警戒されてしまったときは、まずは距離を取りましょう。その上で、声のトーンを高くし、かつ小さな声で優しく話しかけてください。
室内で外からの刺激に警戒している場合は、カーテンを閉めたり、窓から離す工夫も有効です。
あまり興奮していないようであれば、おやつやおもちゃを使って注意をそらすのも良い方法です。
そして何より大切なのは、飼い主が落ち着くこと。いつも通りに過ごすことで、犬も「大丈夫なんだ」と安心できます。
警戒中の犬に対するNG行動
- 急に触る
- 急に抱き上げる
- 声を荒らげる(怒鳴る)
- 厳しく叱りつける
- ジッと見つめる
- 体を押さえつける
急な行動は犬の攻撃性を高め、咬みつかれる危険があります。叱ったり押さえつけたりすることも逆効果です。ジッと見つめるのは挑発とみなされるため避けましょう。
まとめ
犬が警戒中に見せるサインを4つ解説しました。
- 耳をピンッと真上に立てる
- 目を大きく見開く
- 体を硬直させて前傾姿勢になる
- 低い唸り声をあげる
犬は体全体を使って「警戒しています」というサインを出しています。正しく読み取り、安心させる対応を心がけましょう。
愛犬がどんなときに警戒するのかを日頃から観察し、刺激やストレスの原因を把握しておくことも大切です。飼い主が理解してあげることで、愛犬をトラブルや不安から守ってあげられるでしょう。