犬はニオイからどんな情報を読み取ってる?嗅覚の秘密について
優れた嗅覚を持つ犬は、ニオイから数多くの情報を読み取ると言われています。人間が視覚から情報を得るように、犬はニオイから情報を読み取っているんです。
具体的な情報の内容を知ると、驚くべき事実に出会えるかもしれません。犬はニオイでどんな情報を読み取っているのか、嗅覚の秘密に迫りましょう。
相手の個体情報
犬は相手のニオイから、性別や年齢、健康状態、発情期などの個体情報を読み取ります。犬同士がニオイを嗅ぎ合うのは、お互いの情報を交換しているのと同じ行為です。
とくに犬の肛門腺から分泌されるニオイには、個体情報が詰まっていると言われています。つまり、お尻のニオイを嗅がせる相手には気を許しているという意味になり、拒否する場合は敵対心を抱いているという意味です。
また、散歩中に犬があちこちのニオイを嗅ぎ回るのは、ほかの犬が残した尿や足跡から情報を読み取っている可能性があります。すでに通り過ぎた場合でも、動物の種類や時間まで追跡できる犬の能力に驚きですよね。
相手が犬ではなく人間だったとしても、同じように個体情報をニオイから収集できると言われています。お尻のニオイを嗅ぎたがるのは、「仲良くなりたい」というサインでもあるので、ぜひ見守ってあげましょう。
相手の感情の変化
ニオイを必死に犬が嗅ぎ回るのは、感情の変化を読み取るためだと言われています。汗や呼気のニオイから、相手がリラックスしているのか、あるいは興奮状態なのかを犬は収集しているんです。
毎日一緒に暮らす飼い主のニオイを嗅ぎ回るのも、「今機嫌がいいのかな」「怒っているのかな」などと探っている可能性があります。犬は言葉が話せなくても、飼い主のニオイから感情を得ようとしているんです。
帰宅後に愛犬がニオイをしつこく嗅ぐかもしれませんが、「どこへ行ってきたのかな」「疲れているのかな」などと調べているので、思う存分嗅がせてあげましょう。十分な情報を得ると犬も安心感を得ることができ、ストレス解消にも役立ちます。
人間の病気の症状
犬の嗅覚を活かして、「医療探知犬」と呼ばれる訓練された犬もいます。医療探知犬は、人間の尿や呼気から病気の特徴的なニオイを判別し、マラリア感染や肺がん・乳がん患者を嗅ぎ分けたという研究結果があり、その精度も非常に高いとされています。
ほかには、糖尿病患者が低血糖状態になった際に発するニオイを嗅ぎわけ、飼い主に知らせる「糖尿病アラート犬」と呼ばれる犬もいるんです。人間の人命救助にも、犬の嗅覚が役立っているだなんて驚きですよね。
あくまでも訓練された犬の能力ですが、それだけ犬の嗅覚は人間の想像以上に優れていることがわかります。
特殊なニオイの情報
犬の優れた嗅覚により、ニオイの発生源はどこなのか、方角や距離、経過した時間などを正確に判断できると言われています。ごくわずかなニオイでも無数の情報を読み取れるため、「警察犬」や「麻薬検知犬」のように人間の役に立つ仕事にも生かされています。
もし、愛犬が急に吠えたり落ち着きがなくなったりした際にはよく観察してみてください。何らかの異変をニオイから察知したのかもしれません。
まとめ
犬がクンクンとニオイを嗅ぎ回るのは、人間が想像する以上に奥深い情報を得るためです。散歩中は寄り道が増えてしまいますが、時間が許す限りニオイを嗅がせてあげましょう。
飼い主さんのニオイをしつこく嗅ぎ回ることもありますが、これもコミュニケーションの一環だと受け止めてみてください。