シニア犬がだんだん甘えてくるようになる理由3つ
シニア犬になると、甘えん坊になるケースは少なくありません。若い頃は独立心が強かった犬でも、歳を重ねるにつれて甘えん坊になることがよくあります。シニア犬がだんだん甘えてくるようになるのには、いくつか理由があります。
ここでは、その理由を3つご紹介します。
1.視力や聴力の低下
加齢とともに、犬の視力や聴力は徐々に低下していきます。物にぶつかったり、段差につまずいたりすることが増えるのは、視力が低下しているサインかもしれません。
また、名前を呼んでも反応しなかったり、後ろから近づくと驚いたりすることが増えるのは、聴力が低下している可能性があります。
視力や聴力が低下すると、周囲の状況を把握しづらくなるため、不安を感じやすくなります。その結果、安心できる存在である飼い主さんに甘えたり、そばにいることを求めたりするようになります。
2.体の不調や病気
シニア犬は、関節や内臓に不調や病気を抱えやすくなります。そうした不調や病気がもたらす痛みや不快感は犬を不安にさせるため、安心感を求めて飼い主さんのそばにいたがるようになることがあります。それが甘えん坊になったように感じられる要因です。
このようにシニア犬の甘えは、体の不調や病気のサインである場合もあるため、注意深く観察し、必要に応じて動物病院を受診することが大切です。
3.認知機能の低下
高齢になると犬の認知機能が低下し、これまでできていたことができなくなるなどして、不安や混乱を感じることが増えます。そうすると、安心感を得るために飼い主さんに甘えたり、そばにいたがったりするようになることがあります。
甘えるほかに、徘徊や旋回、夜鳴きといった症状も見られる場合は、認知症のサインかもしれません。行動をよく観察し、獣医師に相談しましょう。
甘えてくるシニア犬に対する寄り添い方やケア方法は?
シニア犬がだんだん甘えてくるようになるのは、「安心したい」という気持ちの表れと言えます。飼い主さんがそのことを理解し、適切に対応することで、犬は安心してシニア期を過ごすことができます。
ここからは、甘えてくるようになったシニア犬に対して、飼い主さんが心がけたい寄り添い方やケア方法を解説します。
1.穏やかな気持ちで接する
シニア犬の不安な気持ちに寄り添うことが何よりも大切です。常に穏やかな気持ちで接するように心がけましょう。
シニア犬になると、トイレの失敗が増えたり、夜鳴きをしたりすることもあります。そうしたことを叱ってしまうと、犬の不安を強めてしまいます。決して叱らずに、穏やかな気持ちで優しく接し、安心感を与えてあげてください。
2.環境を整える
視力が低下したシニア犬は、家の中の移動でも不安を感じやすいため、工夫が必要です。滑りやすい床にコルクマットやカーペットを敷く、段差をなくす、家具の配置は極力変えないようにするなどして、シニア犬が安心して歩ける環境を整えましょう。
また、シニア犬になると体温調節が難しくなるため、エアコンなどで室温を快適に保つことも大切です。
3.普段から様子をよく観察する
シニア犬は体調の変化が出やすくなります。また、甘えてくるようになった背景に病気が隠れている場合もあるため、普段から様子をよく観察し、小さな変化にも気づいてあげられるようにしましょう。
食欲や飲水量の変化、歩き方の異常など、何か気になることがあれば、早めに獣医師に相談することが大事です。
4.生活リズムを一定に保つ
シニア犬にとって、決まった生活リズムは安心感につながります。シニア犬は環境や生活の変化に不安を感じやすいため、起床、就寝、食事、散歩の時間を大きく変えず、日々の生活リズムを一定に保ちましょう。そうすることで、安心して毎日を過ごせます。
年を取っても、散歩は無理のない範囲で続けましょう。散歩は筋肉の維持だけでなく、脳の活性化にもつながるため、認知症予防の効果が期待できます。
5.こまめにコミュニケーションやスキンシップを取る
甘えてくるようになったシニア犬は、飼い主さんとのコミュニケーションやスキンシップを強く求めています。撫でたり、声をかけたり、アイコンタクトを取ったりすることで、犬は飼い主さんの存在を認識でき、それが大きな安心感につながります。
日常の中で、こまめにコミュニケーションやスキンシップを取るように心がけましょう。スキンシップの中でおすすめなのはマッサージです。マッサージは、血行促進やリラックス効果が期待できるだけでなく、しこりや皮膚の異変を早期に発見するきっかけにもなります。
まとめ
シニア犬がだんだん甘えてくるようになるのは、加齢に伴う視力や聴力の低下、体の不調や病気、認知機能の低下によって、不安を感じやすくなるからです。
その不安を安心に変えるために、飼い主さんにできることはたくさんあります。今回ご紹介した寄り添い方やケア方法を参考に、愛犬が安心してシニア期を過ごせるようにしてあげてくださいね。