1.アメリカン・アキタ
【原産国】日本
【体高】オス:66~71cm/メス:61~66cm
【体重】40kg以上
アメリカン・アキタは、その名前からもわかるように日本原産の秋田犬を元につくられた犬種です。
第二次世界大戦時に日本に進駐したアメリカ軍の軍人が、日本唯一の大型犬種として秋田犬を好んで飼い、母国に連れ帰ったことがルーツとされています。
アメリカに渡った秋田犬の多くはマスティフやジャーマン・シェパード・ドッグの気質を強く受け継いだ系統で、日本国内で広まった秋田マタギ犬を元に改良繁殖された系統とは異なる特質を持ちます。
特にこの頃はJKCとAKCの血統証書の相互承認をしていなかったこともあり、アメリカ国内にいる秋田犬はアメリカ独自のタイプとして発展していきました。
そうした固定化されたアメリカン・アキタは、がっちりとした骨太の体躯で重量感があります。体も頭も日本国内の秋田犬に比べてやや大きく、目は少し小さめです。
性格は優しく温和であり飼い主に対して従順。秋田犬よりもフレンドリーで、飼い主以外にも懐き、他の犬とも上手に遊べます。
ただし、体は非常に大きく勇敢さも持ち合わせているため、飼い主がしっかりとコントロールできるようにしつけをする必要があります。
2.スカイ・テリア
【原産国】イギリス
【体高】25~26cm
【体重】10kg前後
スカイ・テリアは数多く存在するテリア種の中でも、最も古い犬種のひとつとされています。スコットランドにあるスカイ島やミンチ島を中心に広まってきました。
他のテリア種同様、害獣駆除や狩りをおこなっていたとされ、主にアナグマやカワウソ猟で活躍しました。
体長は体高の2倍という独特の体型で、体躯や四肢が太く丈夫なのが特徴です。また、まっすぐで長い装飾的な被毛が全身を覆っているのが特徴で、現代ではその上品な見た目を魅力と感じる愛好家が多くいます。
飼い主に対する愛情や忠誠心は強いが、他人に対する警戒心があり疑い深い様子を見せることもあります。頑固な気質もあるので、トレーニング時には根気よく接することが大切です。
3.ランカシャー・ヒーラー
【原産国】イギリス
【体高】オス:30 cm/メス:25 cm
【体重】約3~6kg
ランカシャー・ヒーラーはイギリス原産の犬種で、コーギーやテリア系の犬を掛け合わせてつくられた牧牛犬です。
体は小さくもエネルギーや精神力にあふれていて、人が好きな気質も相まって、飼い主の下でよく働く犬として知られてきました。また、賢さも併せ持ち、家畜の行動を管理できるヒーラーとして非常に優秀な犬種です。
小型犬ではあるものの体力が豊富で活動的なので、家庭でも十分な運動をさせなければなりません。
4.コモンドール
【原産国】ハンガリー
【体高】オス:最低70cm/メス:最低65cm
【体重】オス:約50~60kg/メス:約40~50kg
コモンドールはハンガリーで国宝指定されている牧羊犬です。
まるでモップのような縄状の被毛が印象的で、頭からお尻まで全身を覆われています。分厚い被毛の理由は諸説あり、外敵の襲撃に備えるためや山岳地帯の厳しい気候に耐えるため、羊に姿を似せてまぎれるためなどが挙げられます。
縄張り意識や自立心が強く、勇敢さや頑固さも持っているため、番犬や護衛犬として活躍してきました。
誇り高く人にこびるような行動はしないため、やや扱いにくさはあるものの、家族に対しては優しく思いやりを持つようになります。
役割に忠実な賢い犬種なので、しっかりとコミュニケーションを取り関係性を築けば、頼もしい相棒となってくれるでしょう。
5.プレサ・カナリオ
【原産国】スペイン
【体高】オス:60~66 cm/メス:56~62 cm(+-2cm)
【体重】オス:約50~65kg/メス:約40~55kg
プレサ・カナリオは、牛をはじめとした家畜を守るために働いていた犬種です。頑丈で力の強いモロシアンタイプ(=マスティフタイプ)で、均整の取れた直線的な体躯をしています。
2019年4月1日以降、スタンダード変更に伴い、犬種名も「ドゴ・カナリオ」から「プレサ・カナリオ」に改正されました。
性格は落ち着いていて、自信のある態度で堂々とした様子が見られます。家族に対しては温和で従順な顔を見せますが、他人に対しては警戒心と緊張感を持って接します。
元々は護畜犬にふさわしく気性の荒さが目立ちましたが、現代ではややおとなしくフレンドリーな気質も引き継がれるようになってきています。
まとめ
日本国内でも200種以上、世界では700~800種もの犬種が存在すると言われています。
様々な意図を持って生み出されてきた犬たちは、それぞれ異なる気質や体格を持ち、人間との関わり方も多彩です。
多くの人に愛される人気犬種はもちろん、あまり知られていない犬種にも目を向けて、犬の魅力をより深く知ってくださいね。