1.ブドウ
ブドウは急性腎不全を引き起こす非常に危険な果物です。しかも、犬にとって危険な成分も部位もわかっていないのです。現在、明らかになっているのは、ブドウを食べて腎機能障害を起こした犬の報告が多数あること、過去の例では体重1kgあたり3〜32g(2~3粒)で中毒症状があらわれるということです。
犬がブドウを食べた場合、摂取から数時間後に嘔吐があらわれるのが最も一般的です。また、食欲不振、呼吸障害、震えなどの症状が見られることも。さらに深刻なケースでは数日で命を落とす可能性があります。
もし愛犬がブドウを誤って食べてしまった場合は、たとえ症状が出ていなくても、すぐに動物病院を受診することをおすすめします。
また、危険なのは生のブドウだけではありません。パンやお菓子に含まれるレーズンなどの加工品も同様に危険です。犬にはなるべく人間の食べ物を与えないようにし、与える際は、ブドウやレーズンが含まれていないか、十分に注意しましょう。
2.銀杏
秋の風物詩である銀杏。人間にとっては美味しい秋の味覚ですが、犬には危険です。
もし、犬が銀杏を食べてしまった場合、食後1〜2時間程度で、嘔吐・下痢、呼吸困難、けいれん、ふらつきといった症状があらわれることがあります。命に関わることもあるため、万が一食べてしまった場合は、どのくらい食べてしまったのかを確認し、直ちに獣医師に相談してください。
また、銀杏は皮膚に触れると炎症を起こしたり、硬い殻を誤って飲み込むことでのどに詰まらせたり、内臓を傷つけたりすることもあるため油断ができません。
銀杏は独特の強いニオイがするため、興味を持って近づいてしまう犬もいます。秋の散歩中は、愛犬がギンナンに触れたり、口にしたりしないよう十分に注意し、必要であれば散歩コースを変更することも検討しましょう。
3.イチジク
犬にとって、イチジクは絶対に与えてはいけない食べ物のひとつです。命に関わる重篤な症状を引き起こす危険な食べ物とされています。
イチジクの皮や葉、果肉に含まれる「フィシン」や「ソラレン」といった成分は、アレルギーをはじめとした中毒症状を引き起こします。これらの成分を犬が口にすると、口内炎や口腔内のただれ、嘔吐、下痢などの症状があらわれる可能性があります。
とくに、ラテックスアレルギーを持つ犬は、イチジクアレルギーも発症しやすく、アナフィラキシーショックを起こすおそれがあるため、注意が必要です。
また、イチジクは生だけでなく、ジャムやドライフルーツなどの加工品でも中毒症状を引き起こすことがあります。
さらに、イチジクの葉や茎を切った際に出る汁に触れると、皮膚に炎症が起き、火傷のようにただれるリスクがあるため、こちらにも注意が必要です。
まとめ
人間にとっては秋の味覚として美味しいブドウ、ギンナン、イチジクですが、犬にとっては深刻な健康被害を引き起こす可能性があるため、絶対に与えてはいけません。
もし犬がこれらの植物を口にしてしまうと、嘔吐、下痢、痙攣、腎臓の機能障害といった症状があらわれ、命に関わる場合もあります。万一食べてしまった場合は「いつ」「どの部位を」「どのくらいの量」を食べたのかを把握し、すぐに動物病院を受診してください。
また、これらの植物のなかには、触れただけでも危険なものもあります。ご自宅での管理はもちろん、散歩中や外出先では犬が近づかないように注意しましょう。