老犬が夜中に歩き回る原因
老犬になると、夜中に歩き回ることがあります。筆者がかつて愛犬の介護をしていたときも、夜になると落ち着かずに歩き回り、毎晩大変な思いをしました。それでも今では、その姿が懐かしく感じられます。
「どうして眠ってくれないのだろう…」と不安で眠れない夜や、「体調が悪いのかもしれない」と心配で朝を迎えてしまう夜もありました。
愛犬の行動の理由が分からないと、飼い主はどう対処してよいのか悩み、強い不安を感じます。
ここでは、老犬が夜中に歩き回る主な原因を解説します。思い当たることがあれば、改善できることがないか見直してみてください。
1.昼と夜の区別をすることが難しくなったこと
老犬が夜中に歩き回る大きな原因のひとつは、昼と夜の区別がつきにくくなることです。
認知機能の低下によって体内時計が乱れ、昼夜が逆転してしまうことがあります。日中に眠ってしまい、夜になると活動を始めてしまいます。
もし日中に留守番が多い場合は、朝のお散歩を欠かさずに行い、しっかりと太陽の光を浴びさせましょう。体内時計を整える効果があります。
外に出て歩くのが難しい犬でも、庭やベランダで風を感じながら日向ぼっこをしたり、室内でも日の当たる窓辺で過ごさせてあげるだけでも十分です。
2.不安になることが多くなったこと
視力や聴力が衰えると、飼い主の姿や気配を感じ取りにくくなり、不安になって歩き回ることがあります。「ママはどこにいるのかな…」と探すように徘徊してしまうのです。
このような場合は、寝床に飼い主の匂いがついたタオルや衣類を置いてあげると安心感につながります。
また、室内の温度や湿度も犬の不安に影響します。老犬にとって快適な環境を保つことが大切です。
3.体に痛みや不快を感じていること
夜中に歩き回るのは、体のどこかに痛みや不快感があるからかもしれません。
関節の痛みは老犬に多い症状です。筋肉が衰えると体重を十分に支えられず、関節に負担がかかってしまいます。日頃から筋力維持のために無理のないお散歩を続けることや、関節をサポートするサプリメントの活用、関節症の治療などが効果的です。
また、消化不良が原因でお腹に痛みを感じていることもあります。消化機能が衰える老犬では、軟便や下痢が続くようなら食事内容の見直しが必要です。
4.排泄の回数が増えること
老犬になると排泄の回数が自然と増え、夜中にトイレへ行こうとして歩き回ることがあります。
おむつをしているから大丈夫と飼い主は考えがちですが、犬自身は「トイレに行かなければ」と感じて歩き回っているのです。
寝床の近くにトイレを設置する、夜間は少し大きめのトイレを用意するなど、行きやすい環境を整えてあげましょう。
外でしか排泄できない犬の場合は、夜中に歩き出したときが「トイレに行きたい」のサインかもしれません。寝る前に必ずトイレに連れて行く、夜中に起きたらすぐ外に連れて行くなどの工夫をすると安心です。
まとめ
老犬が夜中に歩き回る原因を4つ解説しました。
- 昼と夜の区別をすることが難しくなったこと
- 不安になることが多くなったこと
- 体に痛みや不快を感じていること
- 排泄の回数が増えること
愛犬の徘徊によって、飼い主の生活にも支障が出てしまうことがあれば、早めに獣医師に相談しましょう。
老犬になると、夜中に急に体調を悪くすることもあります。日々の体調の小さな変化にも敏感になり、よく観察し、緊急時にも備えるようにしましょう。