犬はどうして動物病院が苦手になるの?6つの理由から飼い主にできる改善策まで

犬はどうして動物病院が苦手になるの?6つの理由から飼い主にできる改善策まで

動物病院が苦手な犬を、動物病院好きに変えるのは難しいことです。しかし「そう嫌な場所でもない」と思わせられれば、愛犬の通院ストレスを軽減してあげることができるでしょう。そのためには、動物病院が苦手な理由を知り、適した改善策を講じることが大切です。愛犬の動物病院嫌いを改善するための考え方について解説します。

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嫌な記憶は上書きできる

注射される犬

愛犬の動物病院嫌いに悩まされている飼い主さんは、多いと思います。どんなに嫌がっても、動物病院に連れて行かなければならないことは必ずあります。その際、多くの犬は逃げたり隠れたり、時には石のように固まって動物病院へ行くことを拒むでしょう。

動物は、自分にとって嫌な経験をすると、たった1度でもしっかりと記憶に焼き付け、忘れません。なぜなら、それが危険な状況を回避することで生き延びるための、動物の生存戦略だからです。

しかし、この「嫌な記憶」も、繰り返し良い経験を重ねることで、「良い記憶」へと上書きできます。今まで「嫌な奴」だと思っていた人も、何度か良い面を目にすると「いい人かもしれない」と印象が変わるのと同じです。

一旦動物病院に苦手意識を持ってしまった犬にも、工夫次第で「そう悪くもない」と思わせられれば、通院に対するハードルを下げてあげることができるでしょう。

犬が動物病院を苦手になる理由

診察される犬

1.嫌なことをされた場所

多くの犬が動物病院を苦手になる理由は、動物病院での嫌な経験です。見知らぬ人に囲まれて検査や診察、治療を受けたことで、嫌な場所だと記憶されてしまったのです。

おそらく、初めて動物病院に来た犬は、診察が始まるまでは比較的落ち着いていられることでしょう。動物病院に来るたびに怖い経験をすることで、すっかり苦手意識が定着してしまうのです。

2.薬品や消毒薬のニオイ

私たちも、病院に行くと薬品や消毒薬などの病院特有のニオイを嗅ぎ、急に緊張してしまうことがあると思います。人より遥かに優れた嗅覚を持つ犬が、普段は嗅がないような病院独特のニオイを嗅いで緊張しても、おかしくはありません。

3.見知らぬ大勢の人との接触

社会化が十分にできていない犬は、ご家族以外の動物や人と付き合うのが苦手です。

ご家族としか過ごしたことのない犬は、社会化が不十分なために、待合室での見知らぬ動物や人の声・気配や、診察室での獣医師や看護師との接触に、怯えている可能性が高いでしょう。

4.見たことのない機器や設備

診察室に入ると、犬はまず診察台の上に乗せられます。普段あまり高いところに登ることのない犬は、それだけでも緊張するはずです。

そして、狭い診察室にはさまざまな医療器具、検査器具、解剖模型などが置いてあります。これらの見慣れない機器なども、苦手意識の原因になっている可能性があります。

5.飼い主と引き離されることへの不安

入院経験のある犬は、また帰れなくなるのではないかと心配することもあるでしょう。

飼い主さんがいない場所で数日隔離されて治療や手術を受けることに対する恐怖心が、トラウマとなっている可能性も考えられます。

6.飼い主の緊張感

飼い主さんの緊張が、動物病院嫌いの気持ちを増長させている可能性もあります。飼い主さんの緊張や不安は、必ず愛犬に伝わります。

動物病院に来るときは、愛犬の病状を心配しているなど、飼い主さんも緊張していることが多いでしょうが、できるだけ気持ちを強く持ち、いつもと同じように振る舞うことを心がけましょう。

動物病院を嫌がる犬への改善策

笑顔で抱き合う獣医師と犬

積極的な社会化教育

犬の社会化は、社会化期と呼ばれる生後3〜12週齢頃が最もトレーニングに適した時期です。

しかし、この時期に社会化トレーニングを十分に受けられなかった犬も、飼い主さんが根気よくトレーニングすれば、社会性を身につけられます。

最初から動物病院を楽しい場所だと思わせる

最初の動物病院との出会い方次第で、「動物病院は楽しい場所」だと思わせることも可能です。最初の数回は、ごく簡単な健康チェックなどを目的にし、事前に動物病院側にも協力を依頼した上で通院しましょう。

そして、待合室で落ち着いて待っていられた、診察台の上で静かにしていられた、最後まで診察を受けられたなど、一つ一つの行動に対してその都度ご褒美をあげることで、「楽しい場所」だという記憶を作ってあげましょう。

動物病院が嫌な場所だという記憶を上書きする

すでに苦手意識を持ってしまった犬に対しては、「嫌な記憶」を根気よく「良い記憶」に置き換えましょう。

基本的には、前述の方法と同じです。受診せずに待合室に立ち寄るだけで帰る、診察が終わったら獣医師からおやつをもらうなど、動物病院に協力を頼みましょう。

また診察や治療の際に、愛犬の保定などを手伝わせてもらうことで、愛犬を安心させることができる可能性もあります。獣医師に相談してみると良いでしょう。

通院以外の目的で動物病院に行く回数を増やす

通院の時しか動物病院に行かないようにしていると、クレートを出したり車に乗せられたり、また動物病院が見える場所に来たりした時に「目的地は動物病院だ」と悟られてしまいます。

動物病院に行く時だけ特別な準備をしたりすることは避け、毎日の散歩コースの中に動物病院を組み込むなど、通院を特別なことにしなければ、通院に対する愛犬の感度を下げられるでしょう。

まとめ

固まったまま診察される犬

どんなに愛犬が嫌がっても、動物病院を一生避け続けることはできません。そのため、なんとかして愛犬の通院のハードルを下げてあげたいと考える飼い主さんも多いことでしょう。

犬が動物病院を嫌がる理由は、「嫌な経験」がもとになっている場合が多いです。そこに、ニオイや社会化不足、飼い主さんの緊張などが絡み合っています。動物病院にも協力してもらいながら、愛犬の「嫌」な記憶を「良い」記憶に上書きできるよう、工夫してあげましょう。

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