犬がミネラル不足のときに現れる症状
犬の体内ではミネラルを作り出すことができないため、食べ物から摂取しなければなりません。
不足すると、体のさまざまな機能に不調があらわれてきます。
犬に必要不可欠なミネラルには大きく分けて次の役割があります。
- カルシウム・マグネシウム…骨や歯、組織を作る
- カリウム・ナトリウム…体液の浸透圧を調整する
- 塩素イオン…神経伝達に必要となる
一般的な総合栄養食のドッグフードには、これらの必須ミネラルがバランスよく配合されています。
しかし、手作りごはんや療法食を与えている場合には、過不足が起こることもあり注意が必要です。
ちなみに、筆者の愛犬は「ストルバイト結晶」ができやすい体質のため、ミネラルバランスが調整された療法食を食べています。
ミネラルの多い・少ないが健康に直結する体質の子もいるため、愛犬に必要な量を把握しておくことはとても大切です。
1.被毛が抜け落ちる(甲状腺機能の低下)
犬がミネラル不足のとき、換毛期ではないのに大量の被毛が抜け落ちることがあります。
これは「ヨウ素」が不足しているサインかもしれません。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの生成に欠かせないミネラルで、不足すると甲状腺の働きが弱まり、その結果として脱毛が起こることがあります。
2.毛並みが悪くなる
「リン」が不足すると、被毛のサイクルが乱れ、毛並みがゴワゴワ・パサパサになってしまいます。
いつもは柔らかくツヤのある毛が、潤いを失ったように見えるのは要注意です。
リンは細胞を作るために欠かせないミネラルで、毛の健康を保つ役割も果たしています。
3.筋力の低下と体重の減少
「マグネシウム」が不足すると、筋肉の収縮やエネルギー代謝がうまくいかなくなります。
その結果、筋力の低下や体重減少が起こることがあります。
散歩中につまずきやすい、後ろ足がプルプル震えている、筋肉が落ちてきたという変化が見られるときはマグネシウム不足の可能性があります。
4.ごはんを食べなくなる
食欲不振もミネラル不足のサインのひとつです。
ナトリウム・塩素・マグネシウム・亜鉛・セレンなど、いくつかのミネラルが関係しています。
いつものフードは食べないのに、おやつや他の食べ物なら欲しがる場合、犬は本能的に不足している栄養を補おうとしているのかもしれません。
そんなときは食事内容を見直してみましょう。
まとめ
犬がミネラル不足のときに現れる症状を4つ解説しました。
- 被毛が抜け落ちる(甲状腺機能の低下)
- 毛並みが悪くなる
- 筋力の低下と体重の減少
- ごはんを食べなくなる
ミネラルは不足も過剰も健康に影響します。
「ブロッコリー」「鶏肉」「牛肉」「カツオ」「マグロ」「タラ」など、犬が好みやすい食材にはミネラルが豊富に含まれています。トッピングやおやつに取り入れるのもひとつの工夫です。
ただし、愛犬の体質や病歴によってはミネラル制限が必要な場合もあります。自己判断せず、獣医師に相談しながら食事管理をしていきましょう。