犬の歯はどんなときに折れるの?
犬の歯は丈夫そうに見えますが、意外と折れやすいです。
硬いおやつを食べているときや硬いおもちゃを夢中で噛んでいるとき、高い場所から飛び降りたときの衝撃など、日常の中で歯が折れてしまうことがあります。
特に欠けたり折れたりしやすいのは、「犬歯」「上顎第4前臼歯」「下顎第1後臼歯」です。
臼歯には食べ物を噛み切る役割があり、硬いおやつやおもちゃを噛むときによく使われるため負担がかかりやすいです。
また「ここから出して~!」とケージやクレートを噛む癖がある犬では、気づかないうちに歯が欠け、落ちているのを見つけて初めて気づくケースもあります。
犬の歯が折れたとき放置してはいけない理由
1.細菌に感染する恐れがある
歯が折れてしまうと、歯の中の「歯髄(しずい)」が露出することがあります。
歯髄には血管や神経が通っているため、そこから細菌に感染しやすくなります。感染すると歯髄炎を引き起こし、複雑な治療が必要になる場合もあります。
歯科を専門とする獣医師でなければ対応が難しいこともあります。
2.痛みでごはんを食べることができなくなる
折れた歯は強い痛みを伴うことがあります。飼い主さんが気づかないまま、犬が急にごはんを食べなくなることも珍しくありません。
血液検査や超音波検査では発見されないため、口の中の痛みが原因と分かるまで時間がかかることもあります。普段から「食べにくそうにしていないか」「口を気にしていないか」を観察しましょう。
3.抜歯をしなければならなくなる
折れ方によっては歯根までダメージが及び、抜歯が避けられない場合もあります。
犬の抜歯には全身麻酔が必要なため、シニア犬などは麻酔リスクも高くなります。放置すると「歯を失う」だけでなく「体全体への負担」も大きくなってしまうのです。
犬の歯が折れたときの対処法
犬の歯が折れたときは、早急に動物病院で診てもらいましょう。折れた歯が残っているのであれば、持って行きましょう。
無理に口の中を見ようとすると、犬が嫌がって、お互いに怪我をしてしまう恐れがあります。無理やり口をこじ開けようとするのはやめましょう。
出血が多い場合には、ガーゼやコットンを使って、圧迫止血をしましょう。
すぐに動物病院へ行くことができず、出血や痛がる様子はなく、食欲がある場合には、ドライフードにお湯をかけ、やわらかくしたものを与えましょう。ウェットフードでもよいでしょう。
犬の歯が折れることを予防する方法
硬すぎるおやつやおもちゃは与えないようにしましょう。硬いガムでは歯石の蓄積を防ぐことはできません。毎日の歯磨きをしましょう。
愛犬にも定期的な歯科検診を受けさせましょう。歯が折れてしまいやすい小型犬やシニア犬は、毎日の歯磨きのときにも歯の健康状態をチェックしましょう。
まとめ
犬の歯が折れたとき放置してはいけない理由を3つ解説しました。
- 細菌に感染する恐れがある
- 痛みでごはんを食べることができなくなる
- 抜歯をしなければならなくなる
折れた歯をそのままにしておくと、感染や痛みだけでなく、最終的に歯を失うリスクがあります。
愛犬が大好きなごはんを安心して食べ続けられるように、出血や痛みがなくても必ず動物病院で診てもらいましょう。