愛犬の『痩せすぎ』には注意しよう!危険な症状や体重を維持するためのコツを解説

愛犬の『痩せすぎ』には注意しよう!危険な症状や体重を維持するためのコツを解説

「太りすぎ」だけでなく「痩せすぎ」も、犬の体に悪影響を及ぼすことがあります。この記事では、犬の痩せすぎの危険性や注意すべきことを解説するので、愛犬の健康管理に役立ててくださいね。

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記事の監修

めのうアニマルクリニック院長。猫が大好きなあまり、犬と猫を分けた動物病院を開院。「犬にも猫にも優しい動物病院」をコンセプトにしています。腫瘍学を得意分野としていますが、しつけに対しても力を入れており、パピークラスを開校して子犬のトレーニングを行っています。

犬の痩せすぎによる危険な症状や注意すべきこと

立っている細い犬

犬の肥満については、注意している飼い主さんも多いと思います。

しかし、肥満と同じように、“痩せすぎ”も犬の健康を脅かす可能性があるということはあまり知られていません。

ここからは、痩せすぎてしまうことによって起こる、危険な症状について紹介するので、ぜひ知っておいてください。

筋力や体力不足、発育不全

犬が痩せすぎると、体の維持や日々の代謝に必要なエネルギーが不足して、十分な筋力や体力を維持できません。

こうした犬は日常的に疲れやすいため、活動量も少なくなりがちで、さらに筋力が落ちたり痩せたりする傾向があります。

これが成長段階にある子犬に起きてしまうと、体の成長に必要なエネルギーが不足することになり、丈夫な骨格や筋肉がつくられなくなってしまいます。

十分に発育できていないと、成長しきる前に病気にかかりやすくなったり、成犬になっても関節系の怪我をしやすくなったりと様々なトラブルが起こります。

栄養不足による病気

十分な栄養が取れていないことによって痩せすぎてしまっている場合、健康を維持できなくなることがあります。

免疫力も低下しやすいため、感染症にかかりやすくなったり自然治癒力が低下して病気が重篤化しやすくなったりすることが考えられます。

また、極端に脂肪がないことで寒さに弱くなったり、骨が細くちょっとした段差からのジャンプで関節を痛めたりすることもあります。

急激なダイエットは危険

「肥満は万病のもと」と言われることもあり、獣医師などから愛犬のダイエットを命じられたことのある飼い主さんも少なくないと思います。

そのため、急いで痩せさせようとして、急激なダイエットに取り組んでしまう飼い主さんもいるのではないでしょうか。

その際、過度な食事制限をしたり、激しい運動をさせたりすると体に大きな負担がかかるので注意しましょう。

栄養バランスが崩れてしまったり、関節に負荷がかかりすぎたりすることが考えられるので、ダイエットをする際は十分に時間をかけて少しずつおこなうことが大切です。

犬が痩せてしまう理由や原因

食事介助されている老犬

病気

犬が急に痩せてしまったとき、まずは病気の可能性がないか考えてみましょう。

犬が痩せてしまう病気として考えられるのが、消化器系疾患です。食欲が落ちていれば体に異常があることがわかりますが、しっかりと食べていても痩せてしまうことがあります。

食べているのに痩せるということは、摂取した栄養を十分に消化吸収できていないということです。そのため、消化器官である胃腸に異常が起きている可能性があるのです。

食べているのに痩せてしまう症状が出る病気としては、糖尿病や寄生虫による感染症、ガンなど様々なものが考えられるので、動物病院で検査を受けることをおすすめします。

また、食欲があるにも関わらずうまく食べられていない様子が見られるときは、歯周病など口腔内トラブルが起きていることも考えられます。

老化

年齢を重ねるうちに、少しずつ痩せてきている場合は老化現象のひとつかもしれません。

動物は加齢によって代謝が落ちて太りやすくなる傾向もありますが、さらに年齢を重ねると消化能力や筋力が落ちて、やせ細っていくこともあります。

これを完全に防ぐことはむずかしいですが、老犬でも食べやすく消化しやすい食事内容や与え方に変えてあげるといいでしょう。

消費カロリーが多すぎる

十分に食べているはずなのに痩せてしまう、病気はない様子なのに痩せていく、という場合は、単純に摂取カロリーと消費カロリーのバランスが取れていない可能性があります。

つまり、食べ物によって摂取するカロリーよりも運動や代謝で使っているカロリーの方が多いということです。

特にいつも動き回っているような活動的な犬やドッグスポーツをやっている犬などに多く、そのほかにも妊娠授乳中の母犬にも見られます。

犬の体型チェック方法と体重維持のコツ

体重計に乗ってメジャーをくわえる犬

愛犬が“痩せすぎ”かどうかを判断するためには、日頃からこまめな体型・体重チェックをすることが大切です。

犬の適正体重は、それぞれの犬種や体格によって異なるため、獣医師に維持すべき体重を確認しておきましょう。

そして、体重だけでなく体型も重要な要素と考えられていて、これは「ボディコンディショニングスコア(BCS)」と呼ばれる指標によって判断できます。

BCS1は「痩せすぎ」、BCS2は「体重不足」、BCS3は「理想体重」、BCS4は「体重過剰」、BCS5は「肥満」の5段階に分けられています。

理想的な体型であるBCS3は、わずかな皮下脂肪が体全体についているものの、肋骨や背骨などを手で触れて確認できる状態をいいます。

さらに、犬が四つ足で立っている状態を上から見たときに腰が適度にくびれていて、横から見たときにお腹が足のつけ根にかけて切れ上がっているのがベストです。

これらは飼い主さんの手と目を使って、日常的に確認できることなのでぜひ意識しておきましょう。

そして、適正体重や体型を維持するために、季節や年齢、ライフステージに合わせて食事内容や運動量を見直すようにすることをおすすめします。

常に同じ食事や運動では、その時の愛犬の体に合わなくなってしまい、太ったり痩せたりしてしまうことがあるからです。

まとめ

クッションに寝る細い犬

犬の体重や体型を適切な状態に保つことは、愛犬の健康を守ることにつながります。

太りすぎないように気をつけている飼い主さんはたくさんいると思いますが、痩せすぎも体に負担をかける可能性があり注意が必要です。

日頃から食事や運動に気を配り、愛犬が健康的に活動できるようにサポートしてあげましょう。

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