愛犬が発しているストレスサイン
カーミングシグナルを出している
犬には「カーミングシグナル」という、ストレスを感じているときにとる特有の行動があります。
これはもともと、犬が不安や緊張を感じたときに相手や自分を落ち着かせるためにとるもので、特定の動きを執拗に繰り返すのが特徴です。カーミングシグナルはさまざまですが、代表的なものとしては下記が知られています。
- 首の辺りを掻く
- 前足を舐める
- あくびをする
- 自分のしっぽを追いかける
- お腹を見せる
問題行動が増える
破壊行動や無駄吠え、粗相などの問題行動の裏にはストレスが隠れていることが少なくありません。特にいったん一通りのしつけは終えていて良い子に過ごしていたのに、突然問題行動が増えるようになった場合にはストレスが溜まっているのかもしれません。
やり場のないストレスでむしゃくしゃして問題行動をとったり、不安な気持ちを紛らわすために暴れたり、体力を使うことでストレスを発散したりしている可能性が考えられます。頭ごなしに叱りつけるのではなく、その背景に思いを巡らせることが重要です。
元気がない
ストレスの種類はさまざまで、運動不足などによる身体的なストレスもあれば、家族や環境の変化などによる心理的なストレスに悩まされていることもあります。特に後者の場合にはストレスで気持ちが落ち込んでしまい、食欲がなくなる、遊びや散歩の誘いに乗ってこない、寝てばかりいるなど、あからさまに元気がなくなってしまう傾向があるので要注意です。
病気が疑われる場合もあるのでまずは動物病院を受診するのが確かですが、目立った病変が見られない場合には獣医師からストレスと診断されるケースもあるでしょう。
嘔吐・下痢をする
ストレスが限界に達すると身体的な症状も現れます。嘔吐・下痢が特に代表的な例です。犬は比較的よく吐く動物ではありますが、誤飲や空腹などの原因が思い当たらないまま嘔吐を繰り返す場合には心の不調を疑うことも必要です。
愛犬のストレス発散法
長めのお散歩で体力を消耗する
人間とは異なるためあまりピンと来ないかもしれませんが、犬がストレスを抱えてしまう原因として多いのが「運動不足」です。犬種やライフステージに応じた必要運動量を満たすことができないと、犬は強いストレスを感じます。そのためストレスを発散すると同時にストレスを溜めないためにも、適切な運動量を確保することがとても大切です。
日々の散歩を怠らないことはもちろんですが、時間に余裕があるときにはいつもより長めのコースを歩いてみたり、初めてのコースで刺激を与えるのも良いでしょう。散歩から帰ったときに満足して眠ってくれるくらいの量を歩けるとベストです。
ドッグランで思いっきり遊ばせる
リードから自由になって思いっきり走り回れるドッグランは、犬にとって絶好のストレス解消の場です。他の犬と一緒に遊んだり、挨拶をしたりと関わりを持つことも効果的です。
もちろん、ドッグランや他の犬が苦手な子もいるので、その子の性格に合わせながらですが、リードフリーで心ゆくまで遊べる環境に連れて行ってあげることは人間社会で自由を制限されている犬にとってストレス発散につながります。
引っ張りっこ遊びをする
お散歩やお出かけは難しい場合、おうちでの遊びで体力を消耗させることも1つの方法です。
特におすすめなのが「引っ張りっこ」遊び。おもちゃやタオルなどを愛犬と引っ張りっこする遊びですが、実はこの遊び、犬の体力をかなり削ります。基本的に飼い主さんが激しく走り回る必要はないので、お手軽で有効な遊びです。
壊してもいいおもちゃを与える
「噛む」ことは犬の本能的な行動であり、人間社会で「噛む」ことを制限されるのは実は犬にとって大きなストレスです。そのため、いくら噛んでもいいおもちゃ、壊してもいいおもちゃを与えて思う存分にカミカミさせることはストレス解消につながります。
まとめ
ストレスが万病の元になるのは、人間も犬も同じです。愛犬が心身に不調をきたしてしまう前に、小さなストレスサインを見逃さず、適切な対策をとってあげましょう。
愛犬とのコミュニケーションを大切にし、ストレスのない快適な毎日を過ごさせてあげてください。