犬が飼い主に伝えたいこと9選
1.お腹空いた
犬が「お腹が空いた」と伝えたい時には、いくつかのサインを見せます。最も一般的なのは、食事の時間が近づくと、食器の前で座り込んだり、飼い主をじっと見つめたりする行動です。
時には、鼻で優しくつついたり、短く「クーン」と鳴いて催促することもあります。台所やフードの保管場所の周りをうろついたり、ソワソワと落ち着きなく動き回ったりするのも、空腹を訴えているサインです。
これらの行動は、犬が過去の経験から「この行動をすればごはんがもらえる」と学習して実行しています。
2.遊んでほしい
愛犬が「遊んでほしい」と願っている時は、非常に分かりやすいボディランゲージを見せます。最も特徴的なのは、前足を前に伸ばしてお尻を高く上げる「プレイバウ(遊びのお誘い)」のポーズです。
これは「さあ、一緒に遊ぼう!」という明確な合図です。その他にも、お気に入りのおもちゃを飼い主のところに持ってきたり、前足でちょんちょんとつついたりすることがあります。
興奮して尻尾を激しく振ったり、短い吠え声を上げたり、楽しそうに走り回ったりするのも、遊びへの欲求の表れです。
3.お散歩行きたい
お散歩への期待は、犬の行動に如実に表れます。リードやハーネスの置いてある場所の前でじっと待ったり、飼い主が玄関に近づくとソワソワし始めたりするのが典型的なサインです。
目をキラキラさせて飼い主を見つめ、期待に満ちた表情を見せることもあります。尻尾を大きく振って喜びを表現したり、時には興奮して小さな声で鳴いたり吠えたりすることもあります。お散歩の時間を覚えていて、その時間になると自ら催促する賢い犬も少なくありません。
4.撫でてほしい・構ってほしい
犬が飼い主に甘えたい時や、構ってほしい時には、様々な方法でアピールします。飼い主の足元に体を擦り寄せたり、頭を押し付けてきたりするのは、触ってほしいというサインです。
ソファや膝の上に飛び乗ってきたり、優しく手のひらを舐めたりするのも、愛情を求めている行動です。アイコンタクトを求めてじっと見つめたり、静かに寄り添ってきたりすることもあります。
このような行動は、飼い主からの注意や愛情を求めている愛犬からの明確なメッセージと言えるでしょう。
5.トイレに行きたい
トイレに行きたい時、犬は落ち着かない様子を見せます。クンクンと鳴いたり、ソワソワと落ち着きなく部屋の中をウロウロしたりするのは、外に出たい、あるいはトイレの場所に行きたいというサインです。
玄関やベランダのドアの近くに移動して、そちらをじっと見つめたり、ドアの前で座り込んだりすることもあります。普段とは違うタイミングで飼い主を見上げて、何かを訴えるような表情を見せることも。
これらのサインを見逃さないことが、粗相を防ぐだけでなく、犬のストレス軽減や病気の発見にも繋がります。
6.具合が悪い・痛いところがある
犬が体調不良や痛みを抱えている場合、普段とは異なる行動を見せます。触られるのを極端に嫌がったり、普段はしない唸り声や噛む仕草を見せたりすることがあります。
また、食欲不振や元気がない、呼吸が荒い、震える、体を特定の部分を執拗に舐め続けるといった症状は、痛みを訴えているサインかもしれません。
さらに、不自然な姿勢をとったり、いつもと違う場所でじっとして動かなかったりする場合も、体のどこかに異変がある可能性が高いので、注意が必要です。
7.不安や恐怖がある
犬が不安や恐怖を感じている時、その心理状態は行動に表れます。体を震わせたり、耳を後ろに伏せたり、尻尾を股の間に巻き込んだりするのは、恐怖のサインです。物陰に隠れたり、飼い主の後ろに隠れたりすることもあります。
場合によっては、恐怖から唸り声を出したり、吠えたり、パニックになって攻撃的な行動に出ることもあります。また、よだれを大量に垂らしたり、呼吸が荒くなる(パンティング)といった生理的な反応が見られることもあります。
8.やめてほしい・嫌だ
犬が何かを「やめてほしい」と感じている時、直接的な攻撃ではなく、まずはカーミングシグナルと呼ばれるサインを出します。顔を背けたり、目を合わせなかったり、大きなあくびをしたり、舌なめずりをしたりするのは、「これ以上近づかないで」「落ち着いて」というメッセージです。
それでも伝わらないと判断すると、体を硬直させたり、唸り声を出したり、歯を見せたりする威嚇行動に移ることがあります。犬のサインを早期に読み取り、不快な状況を取り除くことが重要です。
9.嬉しい・楽しい
犬が「嬉しい」や「楽しい」と感じている時、その喜びは全身で表現されます。最も分かりやすいのは、尻尾を左右にブンブンと大きく振る行動です。体全体をくねらせて喜びを表したり、飛び跳ねたりすることもあります。
大好きな飼い主の顔や手を舐めて愛情を表現したり、興奮して小さな声で「クンクン」と鳴いたり、鼻を鳴らしたりすることもあります。おもちゃを持ってきて「遊んで!」と催促したり、笑顔のように口角を上げて見つめてきたりするのも、ポジティブな感情の表れです。
愛犬からのメッセージを正しく受け取るためには
愛犬からのメッセージを正しく受け取るためには、まず日頃から愛犬の行動パターンを注意深く観察する習慣をつけましょう。どのような状況で、どんな行動をするのかを知ることで、普段とのわずかな変化にも気づけるようになります。
また、行動だけでなく、その時の状況や環境を合わせて判断することが重要です。例えば、同じ「唸る」という行動でも、おもちゃを取られそうになって唸るのと、体を触られて唸るのとでは意味合いが異なります。
さらに、犬それぞれに個性があり、同じ犬種でも行動の仕方は様々なので、愛犬自身の特性を理解することも大切です。日々の丁寧なコミュニケーションと観察こそが、愛犬との深い信頼関係を築き、相互理解を深める鍵となります。
まとめ
犬は言葉を話せませんが、多彩なボディランゲージや行動を通じて飼い主に様々なメッセージを送っています。
お腹が空いた、遊びたいといった基本的な欲求から、痛みや不安、喜びまで、そのサインはさまざまです。
日頃から愛犬の行動を注意深く観察し、それぞれの意味を理解することで、愛犬との絆を深め、より豊かな共生生活を送ることができるでしょう。