犬の肉球の役割
犬の肉球にはいくつかの部位があり、それぞれ異なる役割を担っています。
まず、前足の真ん中にある大きな肉球を「掌球(しょうきゅう)」、後ろ足の中央にあるのは「足底球(そくていきゅう)」と呼びます。
前足の指先側に並んでいる小さな4つの肉球は「指球(しきゅう)」、後ろ足の同じ位置にあるのは「趾球(しきゅう)」です。
さらに、前足の手首付近にある地面に接しない丸い肉球は「手根球(しこんきゅう)」といい、“親指の肉球”とも呼ばれています。この手根球は進化の過程で使われなくなり、現在ではほとんど役割を果たしていませんが、かつては何らかの機能があったと考えられています。
このように、犬の肉球は複数の部位で構成され、それぞれが異なる役割を持っています。
1.体重を支える役割
「掌球」と「足底球」は、犬の体重をしっかりと支える働きをしています。お散歩中にバランスを取りながら歩けるのは、この2つの肉球がクッションのような役割を果たしているからです。
2.地面との摩擦を軽減させる役割
掌球と足底球には、地面との摩擦を減らす働きもあります。犬が全力で走ったり、急に方向を変えたりする際に発生する摩擦を吸収することで、ケガの防止にもつながっています。
3.衝撃を軽減させる役割
高い場所から飛び降りたときの着地の衝撃を和らげるのも、掌球と足底球の役割です。ただし、どれほど肉球が優れていても、高所からの飛び降りには脱臼や骨折などの危険が伴います。
特に室内では、家具などからのジャンプで思わぬケガをすることもあるため、環境の工夫が大切です。
4.クッションやグリップのような役割
「指球」と「趾球」には、走ったりジャンプしたりする際の衝撃を和らげるクッションのような役割と、急ブレーキや旋回時に滑らないようにするグリップ機能の両方があります。
さらに、これらの肉球には汗腺があり、分泌された汗によってほどよく湿ることで、滑り止め効果も発揮されます。
犬の肉球のケア方法
毎日の保湿をすること
人間が肌を保湿するのと同じように、犬の肉球も日常的なケアが必要です。犬の皮膚は皮脂の分泌が少なく、乾燥しやすい状態にあります。
とくに散歩のあとに手足を拭いたり洗ったりすると、わずかな皮脂までも落ちてしまい、乾燥が進みやすくなります。そのため、散歩後やシャンプー後には、必ず肉球を保湿してあげましょう。
市販されている犬用の肉球クリームを使えば、自宅でも簡単にケアができます。もしもひび割れやかゆみなどが見られる場合は、早めに動物病院で診てもらい、専用の保湿剤を処方してもらうのが安心です。
まとめ
肉球が白っぽくなってきたら、それは乾燥のサインです。年齢を重ねるとひび割れやすくなるため、日頃からのケアが大切です。ひび割れによる痛みやかゆみを防ぐためにも、毎日の保湿を習慣にしましょう。
大切な愛犬が快適に過ごせるように、肉球にもやさしい気配りを忘れないでくださいね。