犬同士がおしりを嗅ぎ合う理由
1.肛門腺からの分泌物のニオイを嗅ぐため
犬のおしりのまわりには「肛門腺(こうもんせん)」という器官があり、そこから独特なニオイの分泌物が出ています。このニオイは一頭ずつ異なり、まるで指紋のようなものです。
犬たちはおしりのニオイを嗅ぐことで、「あ、この子は○○だな」と相手を識別しています
2.相手の年齢を確認するため
肛門腺のニオイには、年齢に関する情報も含まれています。見た目では分からなくても、ニオイを通じて「この子は子犬かな?それともシニア?」と、年齢を嗅ぎ分けています。
同年代なのか年上・年下なのかを知ることは、犬同士の関係を築くうえでも大切なステップです。
3.相手の健康状態を確認するため
犬はおしりのニオイから相手の体調も読み取ることができるといわれています。一見元気そうに見えても、「ちょっと調子が悪そうだな」と気づくことがあります。
おしりのニオイは、まさに犬たちの健康チェックの手段です。においのわずかな違いを感じ取り、無理に近づかないようにすることもあります。
4.嗅覚を最も頼りにしているため
犬にとって嗅覚は、最も重要な感覚です。人間が視覚をメインに物事を認識するのに対し、犬はニオイを通じて世界を理解しています。
犬の視力は0.1〜0.3程度とされ、顔や見た目の特徴で相手を判別するのは苦手です。だからこそ、初対面の相手のことを知りたいときは、まずニオイを嗅いで確かめます。
ちなみに、人間は情報の約80%を視覚から得ており、イルカは聴覚を頼りにしています。それぞれの動物が、得意な感覚で相手を認識しているというわけですね。
犬同士がおしりを嗅ぎ合うときの注意点
見知らぬ犬同士では飼い主の許可を得ること
初対面の犬同士が近づくときは、必ず相手の飼い主に「ごあいさつさせてもいいですか?」と一声かけましょう。
おしりを嗅がれることが苦手な犬もいますし、ヒート中(生理中)の犬には触れさせたくない場合もあります。
反対に、もし自分の愛犬がおしりを嗅がれるのが苦手なら、遠慮せずに「ちょっと苦手なんです」と伝えて大丈夫です。
お互いが気持ちよく過ごせるようにするのが大切ですね。
リードを短く持つ
犬たちがあいさつをしている最中は、リードを短く持つことが重要です。急に嫌がったり、しつこくされて怒ったりしたときに、すぐ引き離せるようにしておきましょう。
リードが長いままだと、間に合わずにトラブルになることもあるので、慎重に見守ってあげてください。
まとめ
犬同士がおしりを嗅ぎ合う理由を4つ解説しました。
- 肛門腺からの分泌物のニオイを嗅ぐため
- 相手の年齢を確認するため
- 相手の健康状態を確認するため
- 認識するときに嗅覚を最も頼りにしているため
筆者の犬たちも、毎日お互いのおしりのニオイを嗅ぎ合っています。「元気かな?変わりないかな?」と、まるで体調チェックをしているように見えるときもあります。
ドッグランでは、新しい犬が来るとすぐに“ニオイチェック”の輪ができて、まるで歓迎セレモニーのよう。そんな光景も、思わず笑顔になってしまいますね。
犬にとっておしりのニオイを嗅ぐのは、ごく自然なコミュニケーション。あいさつでもあり、自己紹介でもあり、大切な情報交換の場なのです。
愛犬たちが安心してコミュニケーションを取れるよう、私たち人間もしっかりサポートしてあげましょう。