愛犬が地面を掘る5つの理由
散歩中やお庭で、愛犬が前足を使って地面を“ホリホリ”──。その様子が可愛くてつい見とれてしまう一方で「なぜこんなに掘るの?」と疑問に思う飼い主さんも多いのではないでしょうか。
実はこの行動、犬の本能や感情が色濃く表れているものなんです。ここでは、代表的な5つの理由を解説します。
1.巣作り本能の名残
犬の祖先であるオオカミは、地面を掘って巣穴を作り、そこで休んだり子育てをしていました。その本能が、現代の家庭犬にも残っていると考えられています。
寝る前や落ち着く前に布団やマットをホリホリするのも、まさにこの行動の延長。地面を掘ることで「安全な場所」を整えているのです。
2.暑さや寒さから逃れるため
夏の暑い日や冬の冷え込みが厳しい時、犬は快適な温度を求めて地面を掘ることがあります。特に土の中は地表よりも温度が安定しているため、暑い日は涼しさを、寒い日は暖かさを求めて掘るのです。
クールダウンしたいときの「天然エアコン」として、犬は本能的に地面を掘る習性を持っています。
3.好奇心や遊びの延長
「何かが埋まっているかも」「面白い匂いがする!」──そんな好奇心から、無心にホリホリすることもあります。
特に若くてエネルギーのある犬は、遊びの一環として夢中になることも少なくありません。顔まで土だらけにして満足げな様子を見ると、思わず笑ってしまいますね。
4.ストレスや退屈のサイン
あまりにしつこく掘り続ける場合は、ストレスや退屈を紛らわせようとしている可能性も。
運動不足だったり、刺激が足りていなかったりすると、エネルギーを発散するために「掘る」という行動を選ぶことがあります。特定の場所を毎日のように掘っている場合は、生活環境を見直してみましょう。
5.埋めたい・隠したい欲求
お気に入りのおやつやおもちゃを隠したくて掘る犬もいます。これは“貯蔵行動”と呼ばれ、食べ物を他の動物に取られないよう埋める習性の名残です。
家の中でも、クッションの下や布団のすき間に“埋めるマネ”をしている姿を見たことはありませんか?それも貯蔵行動の一つです。
やめさせるべき?地面ホリホリへの対処法
ホリホリ行動そのものは犬にとって自然なものですが、場所や頻度によっては対処が必要なケースもあります。以下のポイントをチェックしてみましょう。
誤飲やケガのリスクがないか確認
掘った先に石やガラス片などの危険物があると、肉球のケガや誤飲事故につながります。頻繁に掘る場所は事前にチェックし、安全な環境を整えてあげましょう。
退屈対策として散歩や遊びを充実させる
運動不足やストレス発散が目的の場合は、散歩の時間を延ばしたり、知育玩具を使って遊ぶ時間を増やしてみてください。
掘ってほしくない場所には物理的な対策を
庭の芝生や花壇を守りたい場合は、柵やネットを活用して物理的に立ち入りを防ぐ方法が効果的です。ダメと叱るより、「掘っていい場所」と「ダメな場所」を分けて教える方がスムーズです。
まとめ
愛犬が地面をホリホリするのは、本能や感情からくる自然な行動です。可愛いしぐさの裏には、「安心したい」「楽しいことがしたい」というメッセージが隠れています。
大切なのは、「なぜ掘っているのか?」という背景を読み取ること。原因を理解し、安全で快適な環境を整えてあげることで、愛犬のホリホリ行動はもっと安心して見守れるものになります。
あなたの愛犬が今日も笑顔で“ホリホリ”できるよう、ちょっとだけ環境を工夫してみませんか?