犬が不安を感じているときのサイン
1.何度もあくびをする
犬が何度もあくびをくり返しているときは、不安やストレスを感じているのかもしれません。
あくびをしていると「眠いのかな」「のんきだな」などと思われがちですが、あくびは眠気以外の意味を持ったボディサインの可能性があります。
不安やストレスによって見せるボディサインは「カーミングシグナル」と呼ばれていて、あくびをはじめ、体を掻くことや地面の匂いを嗅ぐことなども挙げられます。
カーミングシグナルは、自分の不安やストレスを和らげるためにおこなっていると考えられていますが、対峙している相手に敵意がないことを示すためにも利用されています。
2.体勢を低くする
犬が周囲の状況や人、犬などに対して不安を感じているとき、体を低くすることがあります。
不安なときは自分の身を守るために、自分を小さく見せて目立たないようにするのです。
そのため、姿勢を低くする以外にも、尻尾を下げたり耳をぺたんと寝かせたりする様子が見られることもあります。
また、強い不安や恐怖を感じているときは、体が硬直したり小刻みに震えたりする様子もよく見られます。
3.自分の足をなめ続ける
不安やストレスに長くさらされていると、何とかそれを和らげようとして、無意識にひとつの行動をしつづけるということがあります。
人間でも緊張しているときに「貧乏ゆすり」をしてしまったり、じっとしていられずにウロウロ歩き回ったりするということもあるでしょう。
犬の場合は、不安やストレスを感じることが続くと、自分の足や尻尾をなめたり噛んだりする様子が見られるようになります。
無意識にしている行動のため、足や尻尾の毛が抜けたり、真っ赤になって出血したりしてもやめられないということもめずらしくありません。
この行動を無理やりやめさせようとすると、それがさらなるストレスとなってしまうので、別のことに意識を向けたり包帯やエリザベスカラーなどを利用したりするようにしましょう。
4.問題行動が増える
犬が普段はしないようないたずらをしたり、いつも以上に吠えたり鳴いたりといった行動が見られるときは、何らかの不安を感じている可能性もあります。
家の中を走り回ったり物を壊したりすることで、不安やストレスを紛らわすのです。
また、不安が強すぎるとパニックになって、犬自身も意識できないまま吠え続けたり鳴き続けたりしてしまうこともあります。
5.抱っこをおねだりする
犬は不安になると、飼い主さんに甘えたり頼りたくなることもあると思います。
初めての場所や知らない人、犬などに対して不安を感じると、飼い主さんに飛びついて抱っこしてもらおうとしたり、ひざの上に乗ったりする犬もいるでしょう。
そうすることで飼い主さんに守られているという安心感を感じられるのですが、いつもその求めに応じるのはNGです。
どんなときも犬が自信を持っていられるように、しっかりと寄り添いながら社会性を身につけさせることを意識しましょう。
犬に安心してもらうためのコツや注意点
犬が不安を感じているときに、飼い主さんがまずすべきことは「落ち着く」ということです。
飼い主さんまで一緒になって不安になってしまったり、犬に対して「大丈夫、大丈夫!!」と慌てた態度で接したりすると、犬はより一層不安になってしまうことがあります。
慌てている飼い主さんを見て、「やっぱり今は大変な状況なんだ」と思ってしまい、不安を増幅させてしまうのです。
そのため、犬が不安や恐怖を感じているときは、努めて穏やかな態度で接するようにしましょう。
動きをゆっくりにしたり、早口にならないように意識したりして、「不安になる必要はないよ」ということを伝えてあげましょう。
まとめ
犬が不安になってしまうことはめずらしくなく、多くの飼い主さんは愛犬の不安そうな様子を見たことがあると思います。
そのようなとき、まず大切なのは「愛犬が不安になっていることに気がつくこと」と「落ち着きを取り戻すサポートをすること」だと思います。
まずは愛犬の不安のサインにできるだけ早い段階で気がつき、パニックや恐怖に陥る前に気持ちを落ち着かせるようにしてあげましょう。