1.指示や行動が一貫していない
犬は「こうすれば褒められる」「これはダメ」といったルールを覚えて生活していますが、その指示や対応がその時々でコロコロ変わると、混乱して不安になります。
たとえば、昨日はソファーに乗ってもなにも言われなかったのに、今日は突然怒られる…といったことがつづくと、犬は「どうしたらいいのかわからない」と感じてしまうのです。
また、さっきまではご機嫌だったのに、なにかのきっかけで急に不機嫌になるなど、コロコロと変わる気分屋さんも苦手です。常に飼い主さんの機嫌をうかがわなくてはならないようではストレスが溜まります。
一貫性のない態度は信頼関係にも影響を与えます。人間の都合や気分で接するのではなく、家族全体でルールを共有し、犬が安心できる環境をつくることが大切です。
2.犬の前で喧嘩をする
犬は家族の感情の変化にとても敏感です。とくに、怒鳴り声や大きな音、ピリピリした雰囲気は、犬にとって強いストレスになります。
飼い主さんが喧嘩や口論をするなど家庭内の緊張がつづくと、犬は落ち着かない気持ちになり不安を感じます。そして、元気がなくなったり、隠れたりするようになることも。犬は人間の言葉がわからなくても、感情の波をしっかりと感じ取っているのです。
喧嘩をゼロにすることは難しくても、犬の前ではできるだけ穏やかな空気を保つように心がけるようにしましょう。
3.無視をする・意地悪をする
犬にとって、飼い主さんとのコミュニケーションは生きるうえでの大切な支えです。そのため、飼い主さんに無視されたり、おやつをわざと見せびらかして与えない、抱っこを途中でやめるなどの意地悪をされると、犬は深い不安や不信感を抱きます。
冗談のつもりでも、犬にとっては「愛されていないのでは」「何か悪いことをしたのかもしれない」と感じる原因になります。
どんなにイライラしていても犬にあたったり、冷たい態度をとったりすることはNGです。忙しくて相手ができないときは「ちょっと待ってね」「あとで遊ぼう」とひと声掛けるだけでも違います。
信頼関係は一度傷つくと修復に時間がかかるもの。犬の心を不安定にしないためにも、日常のスキンシップや接し方には気をつけましょう。
4.怒鳴る・長々と叱る
犬に対して大声で怒鳴ったり、延々と説教をすることは逆効果です。犬はその場の空気や声のトーンで叱られていることは理解しても、自分がなぜ叱られているのかは、これっぽっちも理解できないでしょう。
そのため、長々と叱っても怖がらせるだけで、問題行動の改善にはつながりません。それどころか、不安と混乱を強めてしまうだけです。
また、怒られることが続くと「飼い主=怖い存在」と思うようになり、距離を取ったり、あくび、耳を伏せる、目をそらすなどストレスサインを見せるようになります。
叱るときは短く・冷静に、そしてそのあとはフォローを忘れずにおこないましょう。
まとめ
犬が不安を感じる原因の多くは、飼い主さんとの信頼関係や生活環境にあります。指示や態度のブレ、家族の言い争い、無視や意地悪、大声で怒鳴るといった行動は、犬にとって大きなストレスとなり、心の安定を奪ってしまいます。
犬は人間の感情や空気を敏感に察知し、行動でその不安を表現します。震える、元気がない、隠れる、吠える、粗相をするなど、何気ないように見える小さな変化が「心のSOS」かもしれません。
愛犬が安心して過ごせるように、日頃から接し方や態度には十分に注意する必要があります。