犬の歯磨きをやりすぎると起こるリスク
1.歯茎を傷つけてしまうこと
犬の歯磨きをやりすぎると起こるリスクは、歯茎を傷つけてしまうことです。
歯茎を傷つけてしまうと、犬は痛い思いをします。歯茎が傷ついたまま、また歯磨きをしようとすると、歯茎はさらに傷つき、痛みがあるまま食事をしなければならなくなります。
歯茎の痛みから、食事をしなくなってしまうことがあるかもしれません。傷口から細菌が侵入し、感染症を引き起こしてしまう恐れもあるでしょう。
なお、歯垢は優しく磨くだけでも十分に落とすことができます。もしも歯磨きだけで落とせないこびりつき汚れがあるのであれば、それは歯垢ではなく、歯石である可能性が高いです。
歯石は歯磨きでは落とすことができません。歯石や口臭が気になる場合には、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
2.歯磨きを拒否するようになること
痛みをともなう歯磨き経験をしてしまうと、犬は「歯磨き=嫌なもの」と覚えてしまいます。そうなると、次から歯磨きを拒否するようになることが少なくありません。
歯磨きができなくなると、歯周病のリスクが高まります。3歳以上の犬の約8割が歯周病を抱えているともいわれており、その影響は口腔内だけにとどまりません。歯周病菌が体内に入り込むと、心臓や腎臓など内臓に悪影響を与える可能性もあります。
正しく、そして犬が嫌がらない方法での歯磨きが、長く健康でいてもらうためのカギです。
3.歯石が付きやすくなること
犬の歯磨きをやりすぎると起こるリスクは、歯石が付きやすくなることです。
歯石を除去するためのスケーラーという道具を使い、飼い主の手で愛犬の歯石を取り除こうとすると、歯を傷つけてしまい、傷で出来た溝に汚れや歯石が付きやすくなります。
歯石の除去は、専門の知識や技術が必要です。必要に応じて、犬の歯科に詳しい獣医師に相談しましょう。
犬の歯磨きの正しい方法
愛犬が得意な歯磨きアイテムを見つけ出すこと
犬用の歯ブラシにはいろいろな種類があります。歯磨きシートやガーゼタイプのものもあり、歯ブラシを嫌がってもシートなら受け入れてくれる場合もあります。
愛犬が歯磨きを嫌がるときは、様々な歯磨きアイテムを試してみましょう。愛犬が最も嫌がりにくいアイテムで歯磨きをしてあげられると、毎日のケアも楽になるでしょう。
一度に全ての歯を磨けなくてもOK
犬が歯磨きを嫌がるときは、一度に全ての歯を磨こうとするのではなく、「今日は前歯だけ」「明日は右の奥歯」「明後日は左の奥歯」のように、数日かけて少しずつ磨くようにしましょう。
初めのうちは、1日1本でも磨けたら十分。少しずつ慣れていけばOKです。焦らず、愛犬のペースに寄り添いましょう。
1日1回でOK
歯磨きは1日1回が目安。3〜5日放置すると歯垢が歯石になると言われていますが、1日サボったからといってすぐに歯石になるわけではありません。
大切なのは、無理のない範囲で継続すること。嫌がるときは無理に続けず、少しずつ慣れていくよう工夫しましょう。
まとめ
犬の歯磨きをやりすぎると起こるリスクを3つ解説しました。
- 歯茎を傷つけてしまうこと
- 歯磨きを拒否するようになること
- 歯石が付きやすくなること
犬にも毎日の歯磨きが必要です。しかし、やりすぎはよくありません。歯をキレイに保とうとして、歯磨きをやりすぎると、歯磨きをさせてもらえなくなってしまう可能性が高いです。
毎日1本ずつでもコツコツと磨き、歯磨きに慣れてもらいましょう。歯磨きに慣れるまでは、歯磨き後のおやつだってOKです。歯磨きに良い印象を持ってもらいましょう。