犬が刺されかねない虫7選
まずは、犬が刺されかねない虫の種類と、どのような症状が表れるのかそれぞれ見ていきましょう。
1.蚊
犬にとって蚊は、フィラリア症の原因となる危険な虫です。犬が刺されると蚊を介して寄生虫が体内に入り込み成長をすると肺や心臓に寄生し、呼吸困難や血尿、腹水が溜まるなどの症状が表れます。
重症化すると死に至る可能性があるため、早期発見や事前予防が重要です。
2.ハチ
ミツバチやアシナガバチなど針に毒を持つハチに犬が刺されると、痛みや腫れがあるだけでなく、アナフィラキシーショックを起こす可能性もあります。
犬の鼻は、黒いものに反応しやすいハチに狙われやすいため、活発化する春から秋の時期は十分注意しなければなりません。
3.マダニ・ノミ
犬の散歩に出かける際には、草むらに潜むマダニに気をつけなければなりません。犬の皮膚に吸着して吸血すると、皮膚病や貧血を起こす場合があります。
さらにバベシア症といった病原体を媒介すると、犬が死に至る可能性もあり、ライム病やSFTSなどは人間にも感染する危険性もあるため十分な注意が必要です。
また、ノミに寄生されると強いかゆみやアレルギー皮膚炎を発症することもあります。こちらも事前に予防するなどの対策を取りましょう。
4.ブヨ・アブ
森林や水辺に生息するブヨやアブも犬を刺す可能性があります。人間よりも皮膚が薄い犬が刺されると、出血や腫れを引き起こしやすいため注意が必要です。
5.ヒアリ
海外からの物流と共に流入し、日本国内でも発見されるヒアリは、毒針を持つ大変危険な虫です。万が一刺されると激痛が走り、アナフィラキシーショックにより命を落とす危険もあります。
犬だけでなく人間も刺されると危険な特定外来生物なので、発見のニュースがない居住地にお住まいでも警戒を怠らないようにしましょう。
6.ムカデ・毛虫
ムカデに犬が噛まれると、皮膚に強い痛みや炎症を起こすことがあります。また、毛虫の種類によって毒針毛を持つため、見つけたら近づかないように注意してください。
7.ヒル
草むらや湿気の多い場所に生息するヒルが犬の皮膚に吸着すると、吸血による出血や痒みなどの症状が出る可能性があります。また、無理に引きはがすと犬の皮膚を傷つけるおそれがあるため、水や塩水などをかけて洗い流すのがよいでしょう。
犬を虫刺されから守る予防策
犬が刺されかねない虫を見ると、どうしたらいいのか不安でいっぱいになりますよね。だからこそ、犬を虫から守るために以下のような予防策を取りましょう。
予防薬の定期投薬
犬を飼育する方はフィラリア予防薬や、ノミ・マダニ予防薬の定期投薬を利用しましょう。それぞれチュアブルタイプや錠剤、スポットオンタイプなど、様々な投薬方法を選択できます。
通年予防を行うことで、愛犬を蚊とノミ・マダニなどから防ぐことができます。
虫除けグッズの活用
普段の散歩やアウトドアに出かける際には、犬用の虫除けスプレーや防虫ウェアの利用も有効です。とくに虫が活性化する春から秋までの時期は、屋外のみならず家の中にいても注意を払いましょう。
生活環境の整備
虫の発生源をなくすためには、生活環境を清潔に保つ必要があります。ダニが発生しやすい愛犬のベッドやマットなどの布製品を含む、生活スペースはこまめに清掃を行いましょう。
また、庭やベランダに蚊の発生源となる水たまりを作らないようにします。身近な場所に生息するハエやセミ、ゴキブリ、ミミズなどを口にするのも危険です。
草むらや水辺のような虫が多い場所はできるだけ避けて、愛犬が拾い食いをしないように目を離さないようにしましょう。
万が一犬が虫に刺された場合の正しい対処法
もし愛犬が虫に刺された場合、まず患部をよく確認します。軽い虫刺されであれば、水でよく洗い流し、安静にして様子を見てください。
もし赤くなったり腫れ上がった場合や、愛犬が気にしている場合はすぐに動物病院へ連絡しましょう。何の虫に刺されたのか不明な場合も、早めの相談が安心です。
まとめ
犬が刺されかねない虫は想像以上に種類が多く、屋外だけでなく家の中に居ても危険から免れることはありません。定期予防を行うとともに、出かける場所や生活環境を整えることも大切です。
もし虫に刺された場合は、早めに動物病院に相談の上で受診を行ってください。毒性のある虫や、命の危険を脅かす虫もいるので、自己判断をしないことが重要です。