犬のお尻からわかる心理5選
犬がお尻を床にこすりつけたり、ぐるぐる回ったりする行動には、実は明確な理由があります。一見するとただのクセのように見えるこれらの動きも、犬にとっては感情や身体の不調を伝えるサインであることが少なくありません。
お尻のしぐさを読み解くことで、犬の心理状態や健康の兆候を知る手がかりになります。ここでは、犬のお尻から読み取れる代表的な心理を5つご紹介します。
1.お尻を向けてくる=信頼とリラックスの証
犬が飼い主に背を向けてお尻を向ける行動は、信頼や安心の気持ちを表していると考えられています。お尻や背中は防御の難しい部位であり、無防備な姿勢を取るということは、周囲に対して警戒心がない状態であることを示します。
この行動は、飼い主との間に良好な関係が築けている証拠といえるでしょう。
2.お尻を床にこすりつける=かゆみや違和感のサイン
まるでスライディングするようにお尻を引きずる「スリスリ行動」。見ていて面白い半面、肛門腺の詰まりや寄生虫による違和感が原因のことも多いんです。
特に肛門腺(肛門の左右にある分泌腺)がたまりすぎると、違和感でスリスリし出す傾向があります。1回きりなら心配はいりませんが、頻繁に見られる場合は動物病院での診察をおすすめします。
3.しっぽを丸めてお尻を隠す=恐怖や不安を感じている
知らない人や音にビクッと反応したあと、しっぽを丸めてお尻をギュッと隠していませんか?
それは、犬が「怖い」「守らなきゃ」と感じているサイン。
しっぽは気分のバロメーターですが、実はお尻の動きも含めて、危険から身を守ろうとする本能が現れています。そんな時は、優しく声をかけ、安心できる環境に戻してあげるのがベストです。
4.お尻を他の犬にくっつける=社会的なコミュニケーション
ドッグランなどで他の犬にお尻をチョンと当てに行く──。この行動、実は「敵意はないよ」「仲良くしようね」のメッセージです。
犬にとってお尻は情報交換の場でもあり、においを嗅ぎ合うのもその一環です。突然お尻を近づけられて驚くこともあるかもしれませんが、基本的にはフレンドリーなサインなので見守ってあげましょう。
5.お尻を追いかける・ぐるぐる回る=退屈、ストレス、もしくは病気の兆候
突然、自分のお尻を追いかけてグルグル……。一見お茶目ですが、実は“何かの不満”や“心身の異常”を示している可能性も。
暇すぎてストレスがたまっていたり、痒みや違和感があって行動化していることもあります。毎日のように繰り返すようであれば、遊びだけとは限らないので注意が必要です。
注意が必要なお尻のサインとは?
犬のお尻に見られるしぐさの中には、体の異常や疾患の兆候が隠れている場合があります。日常的な行動との違いに気づけるかどうかが、早期発見や健康維持のカギとなります。
ここでは、特に注意したい症状や異変のポイントを整理しておきましょう。
肛門腺の詰まりや炎症
犬の肛門の左右には、ニオイを出す「肛門腺」という器官があります。これがうまく排出できないと、腫れたり炎症を起こすことも。
頻繁なお尻スリスリ、地面へのお尻こすり、悪臭があれば、肛門腺しぼりや治療が必要です。
虫(寄生虫)による刺激
寄生虫、とくに瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)などが原因で、肛門周囲がムズムズとかゆくなることがあります。
「肛門まわりを舐め続ける」「落ち着きなく座る」といった行動が見られたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
皮膚炎やかぶれ
湿気や清潔な環境の不足により、肛門周囲に皮膚炎が起こるケースもあります。赤み、かさぶた、出血があれば、即座に受診を。
清潔なベッドやお尻周辺のケアを日常的に行うことが予防につながります。
まとめ
犬のお尻の動きやしぐさには、日常の感情表現だけでなく、体調や健康状態のヒントが隠れています。「最近いつもと違うな……」そんな小さな変化こそ、大きなサインかもしれません。
普段からよく観察し、愛犬の“言葉なきメッセージ”に耳を傾けてあげましょう。安心・安全・快適な生活のために、今日からちょっとだけ意識してみてくださいね。