1.音やにおいに集中している
犬が散歩中に突然立ち止まってキョロキョロしたり、ジッと空中を見つめたりしているときは、何か気になることがあるのかもしれません。
犬は、人間よりも聴覚や嗅覚が優れているため、どこかから聞こえてくるかすかな音やにおいを感じ取って、それに集中してしまうことがあります。
音やにおいがどこから来ているのか、そもそも何のにおいなのか、など、見えないからこそ神経を研ぎ澄ませて探ろうとしているのです。
また、犬が遠くを見つめて立ち止まっているときは、動体視力の優れた犬が、遠くに猫や鳥などを見つけたのかもしれません。
対処法
犬が何かに集中して立ち止まっているとき、その場所が危険でなければ気が済むまで放っておいてかまいません。
しかし、何かに集中したあとに、突然その原因に向かって走り出してしまうこともあるため、必ず犬の様子を注視しておきましょう。
散歩中などに過度に集中していると、飼い主さんへの意識が薄れてしまうこともあります。きちんと愛犬をコントロールするために、やや大きな音を出して集中を切って、自分に意識を向けるようにしてみてください。
2.怖い・警戒している
犬が外で立ち止まって動かなくなるとき、周囲の状況を警戒していたり不安を感じたりしていることもあります。
特に、初めて行った場所や過去に怖い思いをしたことがある場所で、立ち止まってそれ以上動こうとしない場合は、その可能性が高いでしょう。
また、特定の場所を怖がっているときは、これから進もうとしている方向とは逆方向にはスムーズに歩くことも多くあります。
対処法
犬が不安や警戒心から立ち止まってしまう場合は、決して無理強いしないようにしましょう。
怖がっているのを無視して強引に進ませようとすると、犬は飼い主さんへの不信感を強めてしまいます。
初めての場所が苦手な犬の場合は、社会性を身につけさせるために、色々な場所に出かけてそこで楽しい経験をさせてあげましょう。
また、特定の苦手な場所があるようであれば、おやつなどのごほうびを使いながら少しずつ慣れさせてください。
3.疲れて動きたくない
散歩の帰りなどに決まって動かなくなるときは、単純に疲れてしまっているのかもしれません。
普段よりも公園で遊びすぎたり長い距離を歩いたり、気温が高かったりすると、疲れやすいのでこうした様子を見せることがあります。
特に子犬は体力の配分がうまくできないことが多く、思い切り遊んで電池が切れるように一気に疲れ果ててしまうこともあるでしょう。
普段はそうしたことがない犬が動かなくなるときは、関節を痛めていたり腹痛を感じていたりと、体調に異変が起きている可能性も考えられます。
対処法
散歩のたびに途中で疲れて歩けなくなる場合、犬の体力に運動量が合っていない可能性があります。
過度に運動させすぎていないか、暑さで体力が奪われていないかなど、日頃からしっかりと考えて、年齢や季節に合った散歩をさせるように意識しましょう。
また、体の動きに違和感があったり、「キャン」と鳴いたりすることがあれば、体に痛みがある可能性を考えて、まずは全身チェックをしましょう。
犬が動けないようであれば抱っこで家に連れて帰り、しっかりと休ませた上で様子を見るようにしてください。
4.飼い主さんの気を引きたい
愛犬が立ち止まって動かずにいると、飼い主さんが「どうしたのかな?」と気になったり心配したりすると思います。
そのため、犬は止まることで声をかけてもらったり、なでてもらったり、抱っこしてもらったりすることもあるでしょう。
その経験から、飼い主さんの気を引いてかまってもらうために、止まって動かなくなることがあります。
対処法
犬は飼い主さんにかまってもらうために、頭を使って様々な行動をとります。
その気持ちをすべて無視すると、犬に寂しい思いをさせてしまいますが、毎回応えていると犬がワガママになってしまうこともあるので注意しましょう。
いつでも自分の思い通りに飼い主さんを動かせると思ったり、自分が納得するまで動かなくなってしまったりすると困るので、適度な対処が求められます。
毎回かまいすぎることはせず、犬が止まっても安全な場所であれば放っておいたり、軽く声をかけて歩くことを促したりといった対応もしてみてください。
まとめ
犬の行動には、様々な心理や理由が隠れています。
「止まる」「動かない」という行動だけでも、その理由は様々で、動いてもらうためにはその理由に合った対応をする必要があります。
犬も気持ちを理解してもらえることで、飼い主さんにより一層の信頼を寄せるようになりますし、無用なトラブルを防げます。
日頃から愛犬の行動や態度をよく観察して、気持ちを想像してみてくださいね。