犬が部屋を散らかす心理
1.遊んでいるだけ
犬にとって、「遊んでいいもの」と「遊んではいけないもの」を見分けるのはとても難しいことです。たとえ知能の高い犬でも、それを理解するのは難しいことです。
目の前に飼い主のスリッパや靴下があれば、くわえて振り回したり、噛んでボロボロにして遊んでしまいます。ゴミ箱をひっくり返すのも、「ゴミ」や「汚い」という認識がないからです。中身が出てくる様子を、おもしろがって遊んでいます。
そのため、犬が過ごす部屋は常に整理整頓を心がけましょう。
- 危険なもの
- 壊されたくないもの
- 口にしてほしくないもの
これらは犬の手の届かない場所に片づける習慣をつけましょう。もし遊んではいけない物に口をつけたときは、「ダメ」と短く注意することも大切です。
2.不安や緊張、退屈を緩和させたい
お留守番中に限って部屋を散らかす場合は、不安・緊張・退屈といったストレスをまぎらわせるための行動かもしれません。
犬はもともと群れで生活する動物。ひとりで過ごすことにはストレスを感じることがあります。
短時間のお留守番では平気でも、長時間になると退屈になり、家具をかじったり、部屋の中を荒らしたりしてしまうことがあります。
一般的に、成犬のお留守番時間の目安は4〜8時間程度とされています。また、室温や湿度を適切に保つことも、犬の不安を和らげる大切なポイントです。
留守中でも退屈しないように、おもちゃや知育グッズを置くなど、環境を整えてあげましょう。
3.分離不安症
もしも愛犬の行動に「異常さ」を感じる場合、分離不安症という心の病気が隠れている可能性もあります。
以下のような症状が見られる場合は要注意です。
- 飼い主の後を常に追いかけてくる
- 玄関を出た途端に激しく吠える
- 体に傷がある(自傷行為)
- 手足をなめ続けたり、しっぽを噛んでしまう
- ケージを破壊して脱出しようとする
分離不安症になると、飼い主と離れること自体が大きなストレスになります。心の不調だけでなく、体にも悪影響を及ぼすことがあるため、早めにかかりつけの獣医師に相談しましょう。
4.飼い主に構ってほしい
愛犬が部屋を散らかすのは、飼い主の気を引きたいサインかもしれません。
一般的に、成犬になるとイタズラは減っていき、老犬になるとほとんど見られなくなります。しかし、「最近イタズラをしなくなったな」と思っていた頃に、突然また部屋を散らかすことがあります。
これは、「もっと構って!」という愛犬からのメッセージかもしれません。
たとえば、筆者の13歳の愛犬も、年に2回ほど突然部屋を散らかすことがあります。お利口さんだからといって構う時間が減ってしまい、寂しさからわざとイタズラするようです。
年齢に関係なく、スキンシップや声かけ、遊びの時間をしっかり取ってあげましょう。
まとめ
犬が部屋を散らかす心理を4つ解説しました。
- 遊んでいるだけ
- 不安や緊張、退屈を緩和させたい
- 分離不安症
- 飼い主に構ってほしい
犬が物を散らかすということは、原因になる物が部屋に置かれているということでもあります。危険な物や壊されたくない物は、あらかじめ片づけておくことが大切です。
また、立ち入ってほしくない場所にはペットゲートの設置など、安全対策も忘れずに行いましょう。
愛犬の行動には、必ず理由があります。その“声なきサイン”を見逃さず、安心して暮らせる環境づくりを心がけましょう。