犬が飼い主のニオイを嗅ぎたがる理由
1.安心したいから
犬にとって飼い主のニオイは、「安全で落ち着ける場所」のようなものです。視覚よりも嗅覚が優れている犬は、飼い主の顔よりもニオイ(汗や皮脂、体臭)を強く記憶しています。
たとえ飼い主が近くにいなくても、飼い主のニオイが染み込んだブランケットや服があれば安心できます。ニオイを嗅ぎたがるときは、不安を感じているサインかもしれません。
2.コミュニケーションをするため
犬は、ニオイを嗅ぐことで相手の情報を読み取ります。犬同士が鼻先を近づけたり、お尻のニオイを嗅ぎ合ったりするのは、挨拶やスキンシップの一環です。
人間に対しても同様に、ニオイを嗅ぐことで「あなたと関わりたい」「信頼しているよ」という気持ちを表しています。犬がしつこくニオイを嗅いでくるときは、満足するまでそっと嗅がせてあげると良いコミュニケーションになります。
3.有機物のニオイが大好きだから
犬は汗や皮脂といった「有機物」のニオイが大好きです。そのため、飼い主の枕や靴下、衣類に顔をうずめてクンクン嗅ぐことがあります。
とくに皮脂分泌が多い男性のニオイに反応しやすい傾向もあります。
また、散歩中にミミズや土のニオイに体をこすりつける行動をとる犬もいますが、これも有機物のニオイに惹かれていると考えられています。
4.飼い主の行動を確認するため
犬はニオイから、飼い主が「どこに行ったか」「誰と会ったか」まで把握しています。
- 職場と自宅の往復だけの日
- スーパーに寄って帰ってきた日
- 知らない人や他の動物と接触した日
以上のように、飼い主の行動の違いをニオイで判断しています。とくに他の犬と接触したあとは、しつこくニオイを嗅いで“浮気チェック”しているかもしれません。
5.飼い主の気分や機嫌を確認するため
犬は、人間の気分や感情の変化もニオイで感じ取ることができます。
人が緊張したりストレスを感じたりすると、汗や皮脂の分泌が変化します。犬はこの微妙なニオイの違いから、飼い主の機嫌や心理状態を察知しているのです。
実際に、イタリアのナポリ大学の研究では、「飼い主が幸福なとき」と「恐怖を感じているとき」では、犬の反応が明確に異なるという結果が出ています。
6.食べ物を持っているかどうか知りたいから
犬が飼い主の口元や手をしつこく嗅ぎたがるときは、「なにか食べた?」「おやつ持ってる?」という確認行動かもしれません。
帰宅直後にニオイを嗅いでくるのは、食べ物のニオイが気になっているサインです。
お腹が空いているときや、おやつを期待しているときに多く見られます。
まとめ
犬が飼い主のニオイを嗅ぎたがる理由を6つ解説しました。
- 安心したいから
- コミュニケーションをするため
- 有機物のニオイが大好きだから
- 飼い主の行動を確認するため
- 飼い主の気分や機嫌を確認するため
- 食べ物を持っているかどうか知りたいから
犬が飼い主のニオイを嗅ぐのは、不快ではなく「好き」の気持ちが表れた行動です。
飼い主が愛犬のニオイに癒されるように、犬もまた、飼い主のニオイで幸せを感じているのかもしれません。愛犬との絆を深めるきっかけとして、日々の“クンクン”行動にも目を向けてみてくださいね。