犬のおならが臭うときの原因
犬も人間と同じように「おなら」や「ゲップ」をします。おならは、消化管(お腹)に溜まったガスが肛門から排出されるもの。一方、ゲップは口から排出されるガスです。
ガスは主に2つの理由で体内に溜まります。1つは、ごはんやおやつを食べるとき、水を飲むときに空気を一緒に飲み込んでしまうこと。もう1つは、消化の過程で腸内にガスが発生することです。
通常、犬のおならは無臭か、あってもほとんど気にならない程度です。しかし、うんちのような強いニオイがする場合や、頻繁に臭うときは、体の中に何らかの異常があるサインかもしれません。
愛犬が元気で食欲もあり、他に気になる症状がなければ、しばらく様子を見るのも一つの方法です。ただし、腹痛、軟便、下痢、嘔吐、食欲不振、元気消失などの症状がある場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
1.胃や腸の動きが鈍くなっている
犬のおならが臭う原因として多いのが、胃や腸の動きが鈍くなっていることです。
消化器の働きが弱まると、食べ物が十分に消化されないまま腸へと送られます。その結果、腸内で悪玉菌が増殖し、臭いガスが発生します。
特に季節の変わり目などには、自律神経の乱れによって消化器の働きが低下しやすくなります。また、加齢により胃腸の働きが落ちているシニア犬では、臭いおならが頻繁に見られることがあります。
2.腸炎になっている
おならのニオイが強く、下痢や嘔吐を伴っている場合は、腸炎の可能性があります。
腸炎の主な原因は消化不良ですが、ウイルス感染や食事の急な変化、異物の誤飲などが原因となることもあります。
小腸または大腸に炎症が起きると、腸内環境が乱れて悪玉菌が増え、ガスが臭くなります。症状が続く場合や悪化する場合は、早めに獣医師の診察を受けましょう。
3.胃炎になっている
おならのニオイがきつい上に、おならの回数も多いと感じる場合、胃炎が疑われます。
胃の粘膜が炎症を起こすと、消化がうまくいかずガスが発生しやすくなります。また、胃や腸に出血がある場合には、黒っぽいうんち(タール便)が出ることもあります。
食欲不振や嘔吐、下痢などの症状を伴う場合は、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
4.寄生虫に感染している
犬が寄生虫に感染していると、おならが臭くなることがあります。
犬の腸内には、犬条虫・犬回虫・コクシジウム・ジアルジアなど、さまざまな寄生虫が寄生することがあります。これらの寄生虫が腸内環境を乱すことで、ガスが発生し、臭いおならの原因となります。
食欲や元気があっても、おならが継続的に臭う場合には、一度便検査をしてみることをおすすめします。
特に子犬は寄生虫による影響を受けやすく、重症化する可能性があるため、迎えたばかりの犬には便検査を受けておくと安心です。
まとめ
犬のおならが臭うときの原因を4つ解説しました。
- 胃や腸の動きが鈍くなっている
- 腸炎になっている
- 胃炎になっている
- 寄生虫に感染している
基本的に、おならは生理現象なので、無臭もしくは一時的なニオイであれば心配する必要はありません。
しかし「1日に何度も臭いおならをする」「数日続いている」「下痢や嘔吐などの症状を伴う」といった場合には、早めに動物病院で診察を受けましょう。
おならのニオイは、愛犬の健康状態を見極めるひとつのサインになります。日頃から注意して見守ってあげましょう。