犬の多頭飼いでありがちな『悩み』とは 実は想像以上に大変…?飼う前に知っておくべきこととは

犬の多頭飼いでありがちな『悩み』とは 実は想像以上に大変…?飼う前に知っておくべきこととは

映画やドラマ、SNS等で見る楽しそうな生活に憧れて、愛犬に友達を作ってあげたくて、保護犬の里親になっているうちに気付いたら増えていたなど、多頭飼いを始めた理由はさまざまでしょう。しかし中には、手に負えない程困り果て、後悔する方もいないわけではありません。犬の多頭飼いでありがちな悩みと、事前に知っておくべきことについてご紹介します。

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犬の多頭飼育の実態

散歩をする仲良しの犬たち

ある伴侶動物関連のサイトで行ったアンケートでは、39.7%(約5人に2人)の飼い主さんが、多頭飼いをしているという結果を示していました。日本の狭い住宅事情を考えると、決して少ない数字とは言えないでしょう。

最も多かった多頭飼いの理由は「先住犬に寂しい思いをさせないため」で52.3%、続く2位が「先住犬を飼う前から多頭飼いしたかった」で23.4%でした。

愛犬のために2頭目を迎え入れるケースが半分を占めますが、元々多頭飼いをしたかったものの、ある程度犬との暮らしを経験してから切り替えようと考える飼い主さんも多いことがわかります。

このアンケートでは、多頭飼いで感じた幸せなことや苦労したことも聞いていました。当然ですが、何事にも良い点と悪い点があります。良い点ばかりを見て悪い点への対策がなければ、理想と現実のギャップに悩むことが多くなってもおかしくありません。

犬の飼育は命に関わる問題です。後悔したので途中でやめるというわけにはいきません。必要な準備をしっかりと行い、長期的な視点で可否を検討することが大切です。

犬の多頭飼いでありがちな悩み

仲の悪い犬たち

1.先住犬と新参犬の相性が悪い

多頭飼いを始めようとする場合、最も多くの方が心配される問題が、先住犬と新参犬との相性の問題ではないでしょうか。実際、先ほど例に挙げたアンケートでも、「食事や寛ぎ時間などで本気のケンカが起きて大騒ぎ」とか「ケンカが始まると仲裁に入った飼い主が噛みつかれる」、「単頭飼いが長かった先住犬が若くて元気な新参犬に怯えて仲良くなるまでに時間がかかった」など、激しいケンカや仲良くなるまでに時間がかかることに関するエピソードが目につきました。

2.想像以上に世話が大変で経済的・体力的に追いつかない

1頭が2頭になるだけでも、必要となる費用や世話にかかる時間、犬の生活スペースは倍になります。また2頭目までは苦痛に感じなかったが、3頭になった時点で非常に負荷を感じたという声もありました。

特に犬同士の相性が悪くて一緒に散歩に行けない場合は、飼い主さんが朝晩犬を別々に散歩に連れて行かなければならないため、時間的にも体力的にも追いつかなくなるということも起きるでしょう。

また、年齢が近い犬を多頭飼いしている場合は、一度に2頭の犬の介護をしなければならなくなることもあります。そうなると、経済面・時間面・体力面などの全てにおいて、飼い主さんへの負担が非常に大きくなることを考えておく必要があるでしょう。

3.悩みのタネが倍増する

適度に年齢差のある若い犬を新参犬として迎え入れる場合、先住犬が新参犬にしつけを行ってくれるので楽だという話を聞くことがあります。確かに、新参犬は先住犬を見習って行動することが多いようです。しかしこれが逆効果になり、先住犬の問題行動を新参犬が真似することで、悩みのタネが倍増したという話もよくあります。

また、先住犬に問題行動が見られなかったのに、新参犬の問題行動を先住犬が真似するようになるということもあるでしょう。

飼う前に知っておくべきこと

老犬と子犬

いきなり新参犬との生活を始めない

「今日からこの子も家族だよ」といきなり新参犬を連れてきて、今までと同じ生活を始めようとする飼い主さんはいないでしょう。必ず「慣らし期間」を設け、別々のケージや部屋を用意して、少しずつ犬同士が慣れていく期間を設けると思います。

この時、できれば一緒の生活を始める前から、新参犬のニオイがついているものを家に持ち込んで先住犬に嗅がせておく、相性がどうしても合わない場合は新参犬を戻せるようにブリーダーや保護主にトライアル期間を設けてもらうなどの措置をとっておくと良いでしょう。

迎え入れる犬の年齢に対する考慮

先住犬と新参犬との年齢が近すぎると、同時に介護をしなければならなくなるかもしれません。また特に同性同士の場合、年齢が近すぎるとライバル意識が芽生える可能性も否定できないでしょう。

では、年齢が離れていれば良いかというと、先住犬がシニア期に入っており、そこに若くて好奇心旺盛で元気な子犬を迎え入れると、体力的に弱ってきている先住犬が新参犬に振り回されてしまうことにもなりかねません。先住犬と新参犬の年齢は、近すぎても離れすぎていてもうまくいかないことがあります。

なお、迎え入れる犬がシニア期を迎える頃、飼い主さんご自身も高齢になっているかもしれません。その点についても、事前に考慮しておく必要があります。

なんでも1人で抱え込まない

これまでの先住犬との暮らしになんの問題もなかったからといって、この先も問題が起こらないとは限りません。先住犬だけであれば苦痛に感じなかったちょっとしたことも、新参犬が来たことで問題が倍増するかもしれません。

それまでは何とかなっていても、飼い主さん1人では対処できないことも増えてくることでしょう。1人で抱え込んでしまうと、手に負えなくなってしまいかねません。困った時にいつでも相談に乗ってもらえるよう、動物病院のスタッフやトリマー、トレーナーなどの犬の専門家との関係をしっかり築いておきましょう。

まとめ

2頭の犬を散歩させる老婦人

後から新参犬を迎えて多頭飼いを始めたいのであれば、住環境などの物理面での準備はもちろんですが、飼い主さんご自身の準備や、長期的な視点に立っての覚悟も必要です。また、何かあってもすぐに対応できる物理的・心理的な余裕のあるタイミングで迎え入れることも大切です。

家族が増えれば、困り事や問題点も同じように増えるということを覚悟しておきましょう。しかし、しっかりした準備と覚悟をした上で迎え入れれば、きっと楽しさや心の豊かさも倍増することでしょう。

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