犬のしつけ…得意・不得意の判断基準は?
犬を飼う上で、飼い主には犬をきちんと人間社会で暮らせるようにしつけを行う責務が課されます。しかし、しつけが得意な犬もいれば、しつけが苦手な犬もいるので、犬を飼育する中で最初の関門と言えるでしょう。
一般的にしつけが得意な犬は、知能が高いことに加えて人と過ごすことを好み、飼い主に対して好意的な気持ちを持っていることが多いです。そのため、遊びの延長線上としてトレーニングに取り組めたり、人間の反応や言葉を正確に理解できたりする犬が多い傾向にあります。
対して、しつけが不得意な犬は、目の前のトレーニング以外に気になる要素があると、そちらに注意が逸れてしまったり、自分のペースを崩したくないマイペースな気質が強い犬が当てはまります。
例えば、狩猟本能が強い犬は、しつけの最中に動くものが目に入るとそちらに気を取られてしまいますし、自我が強い犬は「今はやりたくない」という意思を曲げないため、犬の機嫌をうかがいつつトレーニングに取り組まなければなりません。
『しつけがしづらい』犬種4選
では、犬の中でも「しつけが難しい」「しつけがしづらい」と言われている犬種には、どのような犬が該当するのでしょうか。
1.柴犬
柴犬は頑固でマイペースな性格が強い犬として有名です。そのマイペースさが猫のようで可愛いと魅力的なのですが、しつけに関しては、この性格が少々やりづらい場面を生むことも少なくありません。
例えば、簡単なコマンド指示トレーニングも飼い主の「やるよ」に「今は気分じゃない」と聞こえないふりをしたり、トレーニングに乗り気だと思ったら「もう嫌だよ」「飽きた」と途中で投げ出してしまうこともあります。
2.ボーダーコリー
ボーダーコリーは犬の中で最も賢い犬種と言われるほど知能の高い犬種です。「賢いならばしつけがしやすいのでは?」と思われるかもしれませんが、実はそうとも限りません。
ボーダーコリーにとって信頼できる飼い主として認識されていなければ、飼い主の指示を聞かなかったり、飼い主の想定をはるかに上回る賢さで悪知恵を発揮し、問題行動をエスカレートさせてしまうというケースも多いです。
また、一度でも間違えてしつけを行ってしまうと、その内容をしっかり記憶するため、ボーダーコリーを混乱させたり誤った行動を繰り返させてしまう恐れがあります。
3.ジャックラッセルテリア
ジャックラッセルテリアは狩猟本能が強い犬種なので、しつけを行っている最中に他のことが気になってしまい、しつけに集中できない様子が見られることが多いです。
また、吠え癖がある犬種としても知られており、他の犬種に比べても「吠える」行為が根強く習性として受け継がれているため、吠え癖を改善するしつけの難易度が高い犬種でもあります。
4.秋田犬
秋田犬も柴犬と同様に頑固でマイペースな犬種です。飼い主として認めた相手には非常に忠実なので、多くの指示にしっかり従いますが、その前段階では、なかなかトレーニングに見向きしてくれない……という飼い主の嘆きも聞こえます。
飼い主として認められた場合でも、マイペースで頑なな性格ゆえ、気分が乗らないと指示を聞いていなかったり、褒められてもあまり響いておらず、効果が薄いということも。
犬のトレーニングで押さえておきたいコツ
犬のトレーニングを効果的に進めるために押さえておきたいコツは、以下の通りです。
- 犬が集中できる環境を整える
- 声かけなどで飼い主に注意を向けてアイコンタクトを取る
- 毎回同じ言葉で指示出しする
- 一度決めたルールは変えない
- 同じトレーニングを一度に長々とし過ぎない
- 失敗しても過度に叱らず褒めて伸ばす
- ご褒美としてランダムでおやつを与えるのも効果的
以上のコツを把握して、愛犬がトレーニングに集中しつつ、遊びの延長線上として楽しみながらしつけに参加できるよう雰囲気を作ってあげてください。
まとめ
一般的にしつけがしづらいと言われている犬種も、その犬種の特性を理解した上で、しっかり飼い主として信頼を勝ち取ることができれば、スムーズにしつけが進むこともあります。ぜひしつけのコツを把握し、愛犬に伝わりやすいトレーニングを行いましょう。