カタツムリの誤食は寄生虫感染のリスクがある
犬がカタツムリを誤って食べてしまうと、「広東住血線虫(かんとんじゅうけっせんちゅう)」という寄生虫に感染するリスクがあります。
カタツムリは、広東住血線虫の中間宿主として知られており、とくにアフリカマイマイという大型のカタツムリは中間宿主になりやすいと言われています。アフリカマイマイは、沖縄や小笠原諸島、奄美群島に生息しているためこれらの地域ではとくに注意が必要でしょう。
犬が広東住血線虫に感染した場合、以下のような症状があらわれます。
- 嘔吐下痢
- 後肢麻痺
- 呼吸器症状
- 尿失禁
- 衰弱
とくに子犬や免疫力が低下している犬では重症化しやすく、最悪の場合は命にかかわることもあります。たとえ一匹であっても、カタツムリの誤食には十分な注意が必要です。
カタツムリを誤食したときの対応と応急処置
愛犬がカタツムリを食べているの目撃したら、すぐに口の中を確認し、口の中に残っているものを取り除いてください。飲み込んでしまった場合は、無理に吐かせる必要はありません。素人が無理に吐かせるのは、かえって危険です。
応急処置としては、清潔な水を少量飲ませて口の中を洗い流す程度にとどめ、速やかに動物病院を受診してください。
動物病院を受診する際は、いつ、どんなカタツムリをどれくらい食べてしまったのか、その後いつもと違う様子はないかを確認し伝えられるようにしておきましょう。
なお、カタツムリを口に入れただけで、飲み込んでいなかったとしても、念のため動物病医院を受診し診察を受けるようにしてください。
カタツムリを誤食させないためにできること
カタツムリの誤食を防ぐためには、犬が散歩中に拾い食いしないように注意することが重要です。散歩中は地面に鼻を近づけすぎないようリードを短めに持つようにしましょう。とくに雨上がりや湿った場所では注意が必要です。
庭で遊ばせる場合も、事前にカタツムリがいないかチェックしておくと安心です。とくに鉢植えの下や石の裏、落ち葉やコンクリートのある場所は重点的にチェックしてください。
また「拾い食い防止」のしつけをしておくことも非常に効果的です。「マテ」や「ノー」といった指示が通るように練習しておくことで、万が一の誤食を未然に防ぐことができます。さらに口に入れてしまった際に、吐き出させるように「離せ」のしつけをしておくことも大切です。
さらに散歩後は、カタツムリに限らず危険なものが犬の体についている可能性がありますので、室内に入る前に全身をチェックすると安心です。
まとめ
カタツムリは、私たちにとって身近な生き物で、危険だというイメージは少ないかもしれません。しかし犬にとっては大変危険な生き物なのです。犬が誤ってカタツムリを食べてしまうと、広東住血線虫に感染し、最悪は命を失うリスクがあります。
もし愛犬がカタツムリを食べてしまった場合は、様子を見ずに速やかに動物病院を受診しましょう。
また、お散歩中はカタツムリ以外にも危険なものがたくさんあります。愛犬から目を離さないのはもちろんですが、拾い食いをしないようにしつけておくことも大切です。